[ひとりごと(1998.8.27)]

プリンタダウン事件のその後

QMS
問題のプリンタ

 前回のこのコーナーで「暑さのプリンタダウン事件」を書いてから1か月。先日ようやく修理が終わった。さあ完全復活! と思いきや、まだ不安材料があるようだ。

 プリンタ不調について、1か月前は暑さのせいかとのんきに考えていたが、ファンを掃除してもいっこうに調子がよくならない。あいかわらずアクセスに異常に時間がかかるし、しばしばプリント不能になる。そこでサービスに連絡をした。さっそく見に来てくれた。するとなんということだ、その時に限って正常にプリントするではないか。
「あれ、おかしいなあ。ちゃんとプリントしますねえ」
「そうですねえ、困りましたねえ」
 正常にプリントしているのに変な会話だ。仕方がないからそれまでの症状を説明したが、サービスマンによると、2台のMacで同じ症状なので問題はプリンタにあることは間違いなく、おそらく基盤がやられているのではないかとのことだった。

 数日後、基盤を交換する修理に10万円近くかかるとの連絡が入った。10万円といえば、Quarkのバージョンアップ代とほとんど同じだし、もう少し出せばG3カードの値段だ。
「まあ、完全にやられたわけでもないので、もう少し様子を見ますわ」
 と、一度は修理をあきらめた。しかしその後も症状は悪化の一途をたどった。セレクタでもプリンタが見えなくなるし、再起動を繰り返してなんと見えたと思ってプリントしても、プリントモニタは「プリンタが見つかりません」と冷たいメッセージを繰り返す。だましだましでプリンタにアクセスできたことを確認してホッとしても、「エラーでプリントできませんでした」とくるから始末が悪い。こうなるともうプリンタのスイッチも入れず、お盆前後は取引先のプリンタを借りに日参するという日々だった。

 結局、仕方がないので修理をすることにした。Quarkをバージョンアップしなくても、G3カードを入れなくても仕事はできるが、プリンタが動かなかったら仕事にならないからだ。
 その連絡を入れると、営業マンは新しいプリンタのカタログをもってすっ飛んできた。しかしもちろん、僕にその予算はない。だいたい今のプリンタは高い買い物だったのだ。1年くらい後により性能のいい機種が半額近くで出ていたのだ。だから、せいぜい使い倒さないと損なのだ。

 お盆の休み明け、サービスマンが新しい基盤をもって現れた。ところがその基盤が合わなかったようで、その日は元の状態にして出直すことになった。
「ゴソゴソさわったことで、直ったりして……」
 と僕が笑ったら、サービスマン氏、
「それ、あり得ますよ。前に、一回外してつけ直しただけで正常になったことがありましたから」
「へえー、そうなんですか」
 あにはからんや、一度エラーが起こったものの、それからプリントができるようになったから不思議だ。

 数日後、サービスマンが再び基盤をもって現れた。
「どうですか」
「それが、プリントするようになったんですよ」
「じゃこの基盤、どうしましょうか?」
「まあ、爆弾をかかえてるようなものだから、替えちゃってください」
 一瞬悩んだが、やっぱり不安は解消した方がいいだろう。

 今回は順調に作業がすすんだ。と、サービスマン氏、
「ひょっとしたら、フォントを入れ直さないといけないかもしれません」
 ナヌ? ちょっと待て。
「それって、ダウンロードするだけでいいんですか?」
「いや、基盤が変わるということは、別のプリンタになるのと同じですから、モリサワに連絡する必要があるかもしれませんよ」
 ますます、ナヌ? それではプリンタを買い替えるのと同じではないか。まさにその作業がうっとおしいから修理にしたのだ。もちろん予算もだが。
「やっぱり基盤、元に戻しましょうか?」
「ちょっと悩みますね」
「悩んでください」
 と言いつつ、彼は基盤のネジを締め続けている。
「ま、いいですわ。やってください」
 僕はあきらめた。

 作業が終わって、フォントの入れ直しが必要かどうかのテストプリントをした。なかなか出ない。
「時間がかかりますね。やっぱりダメでしょう」
 そこでMacを再起動。さっきはフォント指定が多すぎたようでもあったので、まずはもともとプリンタに入っている2書体でプリント。出た。そこで追加したフォントを指定してプリント。
「出た! 置き換えじゃないですよね」
「そうですね。よかったですね」
 別のフォントでも問題なくプリントできた。どうやらハードディスクが同じならフォントはそのままでOKらしい。一時は冷や汗をかいたが、ホッとした。

 すべの作業が終わり9万円ほどの伝票を書いての帰り際、サービスマンは車にキーを閉じこめてしまっていた。
「脅かしたバツですよ」
 とは言わなかった。それを心密かに思いながら、こわれたハンガーを提供。なんとかドアを開けたサービスマンガ帰ったのち、やれやれこれで完全復活だと思ってさっそくプリントを始めた。ところが……。

 バーンとMacの警告音。「エラーでプリントできませんでした」。ぬわんだとぉ!

 いやいや、正常なプリンタでもエラーはあるもんだ、と思い直しプリンタとMacを再起動。その後はすぐに正常になり、プリントできるようになった。またまた脅かしやがって……。
 2日後、快調だ。やっぱりあれはたまたまのエラーだったんだと思っていたら、突然バーン「エラーでプリントできませんでした」。おいおい……。
 これまた再起動ですぐに復活した。基盤交換前はこうなると再起動では復活しなかったから、明らかに症状は改善されている。しかし、やっぱりどうも不安定だ。

 というわけで、まだ不安がある。原因は基盤ではなかったのか。ほとんど10万円だぞ。どーなってんねん。今度エラーが起こったら、もう一回サービスマン呼んだるゾ。
 よって、今回のタイトルは「その後」なのだ。まだ「結末」には至らない。

(記/1998.8.27)


GigaHit

[<<前回へ] [次へ>>]

[TOPページにもどる] [ひとりごとのDTP&MACのINDEXにもどる]

Created by Fumio Oguni
Copyright (c) えでぃっとはうすOGN 1996-1998

Email:ogn@ma3.seikyou.ne.jp