[QuarkXPress奮戦記 vol.23]

「フレックススペース」の話(1)

 バタバタしていて4か月もあいてしまった。今回のネタは三報社印刷の柿間氏に教えていただいた「分離禁止フレックススペースを使った禁則処理」なのだが、これも実は年末にメールをいただいたものだ。実際に使ってみるとなかなか便利だし、同氏が「奮戦記とかで紹介して頂いても結構」とおっしゃるので、お言葉に甘えて紹介しようと思う。
 QuarkXPress3.3までは禁則処理の対象文字を編集できないので、たとえば促音とか音引きなどは処理の対象外だった。そのため手動で調整するしかないが、この「分離禁止フレックススペース」を使えば比較的簡単に禁則処理ができるようになる。
 もっとも、バージョン4.0で禁則処理の対象文字の編集が可能になったので、これは4.0では不要だ。

■分離禁止フレックススペースで禁則処理

サンプル

 何はともあれ、まずはその方法を。それは次の通りだ。

  1. サンプル左2行目の促音「っ」は行頭禁則だ。この直前に「コマンド+オプション+シフト+スペース」を入力する。これが「分離禁止フレックススペース」と呼ばれるもの。
  2. すると、サンプル中の水色で示したようにスペースが付加される。分離禁止だから前の行から追い出された。
  3. フレックススペースもスペースには違いない。このスペースにトラッキングを施して文字送りをなしにしてしまう。入力すべきトラッキング値は、文字環境設定の「フレックススペース幅」の設定値と同じ。デフォルトでは「50%」になっており、そのままならトラッキング値は「-50」でOKだ。これでフレックススペースは次の文字と重なり、サンプル右のようになる。

 これだけでもかなり楽になる感じで、このごろはよく利用させていただいている。ただ、この禁則処理を追い込みにしたいとか、あるいはもっと手間を省く方法がないか、などと考えるのはごく自然なことだ。そこで……。


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