[QuarkXPress奮戦記 vol.23]

「フレックススペース」の話(3)

■XPressタグで禁則自動処理

 QuarkXPressに流し込む前のテキスト段階で、禁則を施したい促音や長音にXPressタグを施しておけば、禁則の自動処理が可能になる。
 ただ、私はXPressタグに詳しくないので、ここはまったく柿間氏の受け売りだ。しかし私も試してみたが、ことこれに関する限り簡単だった。
 まず、流し込むテキストに次のような検索・置換セットで禁則対象文字にXPressタグを付加する。これをテキスト取り込みで、「スタイルシートを含む」にチェックして流し込めばOK。とても気持ちよく決まってくれるのがうれしい。

ぁ→<t-50><\!q><$t$>ぁ
ぃ→<t-50><\!q><$t$>ぃ
ぅ→<t-50><\!q><$t$>ぅ
ぇ→<t-50><\!q><$t$>ぇ
ぉ→<t-50><\!q><$t$>ぉ
っ→<t-50><\!q><$t$>っ
ゃ→<t-50><\!q><$t$>ゃ
ゅ→<t-50><\!q><$t$>ゅ
ょ→<t-50><\!q><$t$>ょ
ー→<t-50><\!q><$t$>ー
ァ→<t-50><\!q><$t$>ァ
ィ→<t-50><\!q><$t$>ィ
ゥ→<t-50><\!q><$t$>ゥ
ェ→<t-50><\!q><$t$>ェ
ォ→<t-50><\!q><$t$>ォ
ッ→<t-50><\!q><$t$>ッ
ャ→<t-50><\!q><$t$>ャ
ュ→<t-50><\!q><$t$>ュ
ョ→<t-50><\!q><$t$>ョ

 ここで使用するタグの意味は次の通り。

<\!q>…フレックススペース
<t-50>…トラッキング:−50(数値は文字環境設定の「フレックススペース幅」に合わせる)
<$t$>…トラッキング解除

 ようするに、フレックススペースを入れてそれにトラッキングを施すというドキュメント上での作業をあらかじめXPressタグで指定しておくわけだ。
 ここで気になるのは、すべての禁則対象文字にタグがつくので、実際には不要なタグも含まれるということだけだ。しかしそれが出力などに影響することはないだろう。なにしろ出力現場の人が行っている方法なのだから。
 また、この大量の置換を一つひとつ行っていては大変だが、「ちかん君」というフリーの大量置換ツールがある。これを使えば一度に大量の検索・置換が可能で、しかも複数ファイルを同時に行える、おすすめの一品だ。上のセットをそのままコピーして、矢印「→」をタブに置き換えれば「ちかん君」用の変換テーブルとして使用できる。
「ちかん君」は作者・野本夏俊さんのページからダウンロードできる。


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