[QuarkXPress奮戦記 vol.27]

画像リンクを考える(1)

 QuarkXPressの画像リンクに関しても、当サイトの「DTPフォーラム」やいくつかのDTPサイトで話題になった問題のひとつだ。これに関してはすでに「Vol.7 トラブルシューティング[1] データを移動したら画像がなくなった!?」でも触れたところだが、さらに突っ込んでリンクの仕組みを考えてみたい。ドキュメントと画像ファイルのリンクの関係がわかってくると、ファイルの扱いもかなり自由自在にできるようになると思う。

■QuarkXPressは画像リンク情報をフルパスで記憶している

 画像リンクでまず押さえておくべきは、QuarkXPressで画像を貼り込んでも、PICTファイルを除き、画像そのものをドキュメントに取り込んでいるわけではないということ(DTPの現場では、画像ファイルの形式はEPSかTIFFが原則で、PICTは使わないから、その実情に即して考えようと思う。ちなみにPICTを貼ると、画像そのものを取り込むのでドキュメントサイズがそれだけ大きくなる)。
 簡単に言えば、QuarkXPressは「どこそこの画像をここに表示する」という位置情報だけを記録するということだ。だから、元の画像がどこにあるかがとても重要になるし、ドキュメントを移動するときは元の画像も必要になる。

 そしてQuarkXPressは、使用している画像ファイルの情報をディスクの第1階層からの「フルパス」で記憶している。このことは特別メニューの「画像使用状況」でも確認できる。
 たとえば下のサンプルで、画像名にある「Qgn HD:internet:材料・参考:材料:QX実験:folder」がそれ。これは「Qgn HD」の中の「internet」ディレクトリ(フォルダ)中の「材料・参考」中の「材料」中の「QX実験」の中にある「folder」というファイルであることを示している。
 上記にように書くと長々としてしまうが、ようするにハードディスクの第1階層から順にディレクトリをたどって該当ファイルを指定しているわけだ。つまり絶対位置での指定であって、QuarkXPressドキュメントとの相対的な位置関係ではない。これは画像リンクを考える際の第一の重要なポイントだ。

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■画像ファイルの検索対象範囲

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 もうひとつの重要なポイントは、QuarkXPressの画像ファイルの検索はどこを対象にするのか、ということだ。
 検索は「一般環境設定」の「自動画像取込み」を「オン」にしていれば自動的に行われるが、その対象の第1は、画像ファイルを取り込んだときの元の位置だ。

 この「元の位置」とは、次ページ以降で実験をしているが、どうやら「使用している画像を含むフォルダ内」と理解していいように思われる。「該当フォルダの中のこの画像」という情報と、スタートする最初のディスクの情報が一致すれば、その途中は自動的に更新されるような印象だ。この点、ちょっと記憶にとどめておいてほしい。

 そして、元の位置に該当ファイルがない場合は、作業中のドキュメントを含むフォルダの、ドキュメントのある階層を検索する。つまり、ドキュメントと同一階層に画像ファイルがあれば、いつでもどこでも検索対象になるということだ。この場合は、スタートするディスクが違っていても、その道筋に自動的に更新される。
 これらの検索の結果、ファイルが見つかって修正日付、ファイルタイプが一致すれば「OK」となる。修正日付が変わっていれば「変更」(「自動画像取込み」が「オン」のときは、ドキュメントを開く際に取り込みなおされて「OK」となる)、ファイルタイプが変更されていれば「タイプ不適...」と表示される。むろん、見つからなければ「移動」とされることになる。
 これらは、ドキュメントを開く際には特に警告されないが「画像使用状況」の「状況」欄で確認することができる。またプリント時には以下の警告メッセージが表示される。

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 検索対象範囲は基本的に、バージョン3.3でも4.0でも同じのようだ。ただ他のDTPサイトの掲示板に書き込まれた情報によると、厳密には3.3と4.0では検索対象と順序に違いがあり、上記に書かなかったものも含まれているようだ。たとえば3.3では2番目にアプリケーションのあるフォルダも検索するという。
 しかしDTPの作業では一般に、ドキュメントと画像ファイルをセットで扱っているだろう。ドキュメントと同じフォルダにまとめて画像ファイを置いたり、あるいはその中にフォルダを作って管理するケースが多いだろう。もちろん、あちこちにあるフォルダから取り込むケースもあるだろうが、アプリケーションのあるフォルダに画像ファイルを置くことは少ないと思う。
 したがって、上記にあげた二つの対象範囲はプログラムにかかわる正確な記述ではないが、実際にはそう問題はないと思う。
 まず以上を押さえた上で、いくつかの実験をしてみた。


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