[ひとりごと(2001.3.8)]

郵便局の窓口

 先日、郵便局に振り込みに行った。PDFの埋め込みに使える廉価なダイナフォントのATM-CIDフォントを購入したからで、その支払いのためだ。
 ネットでダイナラブに直接申し込んだら、メールで支払方法の通知がきた。それが郵便局からの振り込みだったわけだ。振り込みには郵便局備え付けの振替用紙を使えという。そこで、振込先の情報などが書かれているメールをプリントして出かけた。
 近くの郵便局の窓口は、自動発券機から番号札を取ってその順に処理される仕組みになっている。銀行だと、とにかく窓口にわたして呼ばれるの待つというパターンで、ここも数年前まではそうだった。この仕組みになってからは、順番が来るまでは待たねばならないが、呼ばれたらその場ですべて処理してくれる。手元に未処理はためないという方針のようで、それはそれで歓迎だ。
 その日は月曜日だったからか、混んでいた。とにかく番号札を取って、振替用紙を探した。が、見つからない。どうやら窓口で頼まないといけないようだ。
 こんな時は、このシステムは少々困る。たかが用紙1枚のことだが、僕は小心者なので、他人の処理をしているところに行って頼むのはちょっとためらわれる。かといって、頼んでその場で書くのも気が引ける。とはいえ、もう一度番号札を取り直して再度待つのはしゃくだ。
 どうしようかと思っていたら、若い男の二人組がやってきて、なにやら探している様子。見れば手には僕と同じように、プリントしたような紙を持っている。「ないのかなあ」などと言っているから、どうやら同じパターンのようだ。彼らが窓口に行って用紙を受け取るようなら、僕もそうしようと思って観察していたら、あれま、彼らはあきらめて出ていってしまった。
 仕方がないからその場で書こうと決意。順番が来た。呼ばれたのは若い男性職員の窓口だった。
「振替用紙をください」
「窓口のものは料金がいりますが」
「それでけっこうです」
「はい」
「ここで書いていいですか?」
「どうぞ」
 よっしゃ、と書き始めたものの、僕は書けい症なものだから字が書きにくい。ちょっと気をもんでいそうな目の前の職員氏と、背中のおばちゃんたちの「はよしてよ」とでも言いそうな視線を感じながら書くのはあまり楽じゃない。かなり焦って書いたので、記載事項が間違っていないかどうか、かなり不安だった。
 まあそれでも、以前の僕だったらきっと次に譲って番号札を取り直していたのではないかと思う。なかなかオッサンになったものだと、心の中で笑った。
 それにしても、振替用紙くらい待合いに置いておいてほしいものだ。

 ちなみに僕は、銀行のATMで後ろに並ばれると気になって仕方がない。支払いの振り込みなど何回か処理しなければならない時は、とりあえず次の人にゆずって並び直すことがよくある。だから苦手だ。後ろに何人並んでいようが、マイペースで何度も引き出したり入金したりできる人がうらやましい。
 なお数日後、無事にフォントが届いた。やっとホッとした。

(記/2001.3.8)


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