[えでぃっとはうすのときど記]

あこがれた車

「117クーペが好きだったんですよ」
 つい口が滑ったというべきか。車屋さんのホームページを作成していて、先日打ち合わせに寄せていただいた時のことだ。
「なに117クーペ! そうか!」
 一瞬、社長さんの目がキラリと光ったような気がした。
「オレ、それに乗ってたんや。ハンドメイドのやつ」

 改めてWebで探してみたら、いすゞの117クーペは昭和43年の発売。同48年まで「半手作業」で月産50台という生産だったことから、「ハンドメイド」と呼ばれていたという。それだけに当然だが、超高級車だった。
 そのころ僕は小〜中学生くらい。ちょうど車に興味がわきはじめ、雑誌などで見る117クーペはあこがれの車だった。しかも田舎では実物を見ることはまずなかったから、後年一度だけ後の量産タイプの117クーペの助手席に座ったことはあるが、ハンドメイドなど僕にはまさに幻の車だった。

「それからフェアレディの280Zに乗ってな、うん、あのロングノーズのやつ……」
 社長さんの口からは次々と車名が飛び出してきた。僕の生半可な知識ではアッという間に話についていけなくなってしまったが、どう見ても根っからの車好きの人たちがやっている車屋さんて、なんだかうれしい。

 帰り際にカレンダーをいただいた。ネットでも「2004絶版名車カレンダー」として売られているものだ。今日広げてみて、思わずうなってしまった。まさに僕が当時あこがれたなつかしい車がMasaki Okamoto氏のイラストで並んでいる。
 とりわけ目にとまったのがマツダのサバンナGT。当時、ロータリーエンジンが好きだったから、これもあこがれた車の一つだった。

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 こうして見ると、このころの車はみな、見た目にも軽快そうに見える。いまの車はなんだかお尻が重そうに見えて仕方がない。
 重くなったといえば、パソコンのアプリケーションソフトもそうだな……。

(記:2003/12/27)



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