[1999.1]

炎と涙の底から―鎮魂と再生のハーモニー―

神戸市役所センター合唱団編/かもがわ出版/A5判272ページ並製/定価2000円+税



炎と涙の底から

 阪神大震災鎮魂組曲「1995年1月17日」(森村誠一原詩、池辺晋一郎・神戸市役所センター合唱団編詩、池辺晋一郎作曲、1996年)や組曲「悪魔の飽食」(森村誠一原詩、池辺晋一郎・同合唱団編詩、池辺晋一郎作曲、1984年)をはじめ、いのちと平和を歌い続けるユニークな「うたごえ合唱団」の本です。同合唱団創立35周年を記念して編まれたもの。
 震災で、一時は合唱団もおしまいかと思われたところから、避難所でのミニコンサートに取り組んだり、阪神大震災鎮魂組曲を制作して歌い広めていく活動を通してよみがえっていく姿を大きな柱としながら、組曲「悪魔の飽食」が生まれた経過や合唱団のこれからの展望などについてを描いています。
 また、この合唱団に詩や曲を提供するなど大きな関わりを続けている作家の森村誠一氏、作曲家の池辺晋一郎氏を交えた座談会、「上方芸能」編集長の木津川計氏による巻頭言が収められています。
 私は98年9月より年末までの4か月間に十数回神戸に通い、編集及び一部の取材執筆のお手伝い、座談会のリライトを担当したほか、本文272ページのDTP組版を行っています(表紙装丁は川本浩氏)。
 その間、団員のみなさんから阪神大震災当時の体験や鎮魂組曲に込めた思いなどを聞くことができました。また、団員のみなさんと親しくおつきあいをさせていただき、久しぶりに充実した楽しい仕事になりました。


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