[QuarkXPress奮戦記 vol.5]

段落書式とスタイルシート(4)

■スタイルシートをパートで使う

 以前、下のような体裁のリストの組版の仕事がきたとき、私はハタと困ってしまった。同じ行の中でフォントの種類もサイズも違い、一部は2行になっている。しかも3000人からのリストだった。どうすれば作業が楽になるか。

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 こんな場合は、データベースから読み込んでレイアウトできるXTension「HARERUPAT」などがあれば便利らしい。しかし、それはワープロでレイアウトされたデータ原稿だったのだ。まずデータベース化するのが大変な作業だ。やってられない。
 仕方がないから、最初は1行ずつ、いちいちフォントやサイズを指定し、ベースラインシフトで文字を上げたり下げたりしていた。途中まできてイヤになったがもう遅い。最後までやるしかなかった。
 幸か不幸か、翌年も同じ仕事がきた。前年のような苦労はかなわん。そこで一考、次のようにテキストボックスを並べて連結することにした。

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 これで、ボックスごとにreturnまたはenterを入れればボックス単位で一つの段落だから、スタイルシートが使えるようになった。テキストボックスを分割することで、スタイルシートをパートごとに使えるようにしたわけだ。
 作業はかなり楽になった。ある段落のスタイルを別の段落にも適用したいときは、まず適用したい段落にカーソルを置いて「option+shift」で元の段落をクリックすれば段落書式をコピーできる。つまり、スタイルシートがそのままコピー適用される。それを使ってせっせとやったものだ。
 とはいえ、パートのひとつひとつにスタイルシートを適用していくわけだから、やっぱり大変だったことに変わりはない。
 それと、大量の連結になるのでデータが重くなり、反応速度にも影響しやすい。あまりお勧めの方法ではないが、これは後に表組みの場合の方法としてときどき活用するようになった。
 ん? この仕事、ひょっしたら今年もくるのだろうか。う〜ん、もっと楽な方法はないものか……。

 ところで、そこに入ったテキストには自動的にそのボックスのスタイルが適用されるというように、テキストボックスにスタイル情報が登録できるといいのにと思う。そういえぱ、表組みのXTension「Table Works Plus」や「HARERUPAT」の試用版を試した時は、ボックスごとににそんな情報を指定できたようだったけど、勘違いかな。

(記/1997.5)

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