スタイルシートの親子関係
ご存じの方は多いと思うが、僕はQuarkXPressを使いはじめて7年もたつのに、知らなかった便利な機能があったことに、つい先日気がついた。スタイルシートの親子関係だ。
■「ベース」を設定すると
スタイルシートの設定項目のなかに「ベース」という項目がある。ここでは、すでに設定してあるスタイルを選択することができる。
たとえばまず、「本文」と名付けたスタイルを作るとする。ドキュメントではじめてスタイル設定する時は、作成されたスタイルがないので「スタイル解除」か「ノーマル」しか選べない。文字や段落などの設定をして登録すると、下のサンプルのように「一般」タブのところで設定内容を確認することができる。(サンプルはバージョン4.1)
組版の作業では、基本的なスタイルは同じだが少しだけ設定を変える場合がよくある。たとえば、本文組みの中に箇条書きがよく出てくるのでスタイル登録したいというケース。これは段落書式のインデントの設定が変わるだけなのだ。
こんな時に「ベース」が役に立つ。「新規」でも「複製」でもいいが新しいスタイルを作り、ベースに先の「本文」を選ぶ。するとベーススタイルの設定内容がコピーされる。その上で必要な変更を加えると、「設定内容」欄には「本文+○○○○○」という形で、ベースのスタイルとその変更内容が表示される。仮に「本文箇条書き」と名付けておこう。
僕はスタイルシートを多用している方だ。サンプルで示したように、基本的に同じスタイルでもいくつかのバージョンを作ることはよくある。たとえば本文用でも、第1行インデントを設定した基本スタイルと、インデントのないもの、カッコで始まる場合の半角下げの設定と、少なくとも3種類のスタイルシートを作ることが多い。ものによってさらに、引用の字下げやサンプルに示したような箇条書きなどのスタイルを作っている。
しかしそんな時、作成時にベースとなるスタイルを「複製」するだけで「ベース」欄をさわることはなかった。早い話が、親子関係にできるということを知らなかったわけ。知らないのだから使おうとも考えない。だから、同じ基本スタイルを使うスタイルシートに変更があると、一つひとつチマチマと変更していて、面倒に感じていたところだった。それでもこれまでなんとか不満なくやってきたのは、あとの変更の手間を考えて、あまりにたくさんのスタイルシートを作るのは避けていたからだ。
が、ある時ふと思って「ベース」の設定をやってみて「本文+○○○○○」という表示を見た時、「もしや」と思って試してみたら上記の通りだったという次第だ。
もう、ハッキリ言ってガックリしてしまった。これまで知らなかったことにだ。こんなことを知ってしまうと、今後はスタイルシートの設定数が増えてしまうかもしれない。
(記/2001.7.12)
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