京のお酒エッセー

京都は伏見だけでも20を超える酒蔵がある酒どころ。そんな京都府内の地酒を飲みながら、リアルタイムで綴るお酒の話。
おおむね月1更新。飲み手・書き手=小国文男

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純米大吟醸「玉の光・こころの京」

2004/11/18 (木) | 玉乃光酒造(伏見・玉乃光)

tamahikari_1s.jpg 「玉の光」といえば、全国的に有名な銘柄のひとつだろう。「全国の地酒あります」と銘打ったお店に入れば、京都のお酒として「玉の光」が含まれていることが少なくない。そうかと思えば、コンビニでも見かけることがある。なので、ちょっとメジャーすぎるなと思ってこれまであまり飲まなかったが、「京都地区限定」という「こころの京(みやこ)」が目にとまったので試してみることにした。

tamahikari_1.jpgtamahikari_2.jpg 京都限定というこのお酒、ほかと何が違うのか。どうやらお米らしい。玉乃光の蔵元サイトを見てみると、「玉の光」には備前雄町や山田錦がよく使われているようだが、「こころの京」だけは京都産「祝」を使っている。京都には京都のお米で、ということらしい。

 この「雄町」は「おまち」と読むのだが、実は僕は長い間、正しい読み方を知らなかった。たぷん「おまち」だろうなとは思いつつ、ひょっとしたら「ゆうまち」とか「ゆうちょう」かもしれない、と思っていた。
 先日、飲み会の二次会で地酒の店に行った折りのことだ。店は混んでいた。
「『少しおまちください』って」
「おまち? 山田ならあかんか?」
 とダジャレた人がいた。ようするに「備前雄町」と「山田錦」をかけたわけ。よほどの酒好きだ。で、そのとき僕はようやく、やっぱり「おまち」なんだと理解したという次第。

 さてその「こころの京」を開栓した。瓶はややくすんだつや消しのような処理がしてあるが、酒は無色透明だ。大吟醸だが香りプンプンというわけでもない。鼻に近づけると少し酸味が漂う香りがする。口に含むと、スッとノドに落ちていく。大吟醸のまったり感よりも、吟醸のスッキリ感に近い感じだ。全体としては好感度が高い。ただその一方で、なんというか個性が薄いようにも思えた。

 そういえば、さっきのダジャレた人がこうも言っていた。
 「個性が強いと売れないんですよ」
 なんとなく、納得してしまった。

【データ】
純米大吟醸生酒「玉の光・こころの京」
醸造元:玉乃光酒造株式会社
製造年月:2004年10月
原材料名:米・米麹
原料米:祝
精米歩合:50%
アルコール分:16度以上17度未満
日本酒度:+3.5
酸度:1.8
アミノ酸度:1.2

(記/2004.11.18)

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