京都は伏見だけでも20を超える酒蔵がある酒どころ。そんな京都府内の地酒を飲みながら、リアルタイムで綴るお酒の話。
おおむね月1更新。飲み手・書き手=小国文男
久しぶりに「蒼空」を飲んだ。このブログでは2010年6月にアップしているからそれ以来、2年近くぶりだ。この間、東北のお酒ばかり飲んでいたから、京都のお酒も久しぶりだった。
数日前に、娘が突然電話してきたのだ。
「いま蒼空の蔵開きに来てて、お酒買って帰ろうと思うんやけど、どれがいい?」
提示されたなかの「山田穂」は飲んだことがなかったから、ならばとそれを頼んだのだった。山田穂は、山田錦の母親にあたる米だという。
「おとうさん、いまどんなお酒が飲みたい?」
唐突に娘が聞く。
「『蒼空』やな。『愛山』ってのが新しく出てるみたいやねん……」
実はちょうど、ネットで物色していたところだった。
「けど何でや?」
「父の日やんか」
「あ、そうか……。そりゃおおきに」
こうして思いがけず、久しぶりに「蒼空」を味わう機会に恵まれた。
「お酒の色は緑色なんですよ」
先日の油長さんでの蔵講座の講師は、「蒼空」の蔵元、藤岡酒造さんだった。これはその時の藤岡さんの言葉だ。
ちょっと印象的だったので、かねてより飲みたいと思っていた純米大吟醸、それも今年の春に絞ったばかりの生酒を買って帰り、改めて見てみた。本当に淡い緑色だった。
油長さんからメールマガジンが届いて、次のような蒼空「おりがらみ」の限定販売の案内があった。
「藤岡酒造の「蒼空」は槽搾り(ふなしぼり)・無濾過にこだわっている為、搾った清酒をビンに詰めた後に、わずかにおりがらみ(うすにごり)ができます。これまでは、蔵内で使われていたのですが、今季の2号タンク純米吟醸山田錦のおりがらみ(うすにごり)生原酒を特別に分けていただけることになりました」
「蒼空(そうくう)」というのは初めて飲む銘柄だった。このページのために蔵元のサイトを探そうと伏見酒造組合のサイトを見ても、蔵元リンクには含まれていなかった。えっ? なんで……?
そこでWeb検索で情報を探ってみると、次のようなことがわかった。