進行表
原稿や図版の素材が多い仕事の時は、進行管理の一覧表を作るようにしている。そうしないとわけがわからなくなってしまうからだ。
原稿は、項目ごとにプリント原稿とデータの有無を確認する。それに応じて、文字入力すべきかデータ整理すべきかを決める。
テキストはこんなところだが、図版は入稿形態がさまざまだ。現物を見ながら、そのままスキャンして使えるか、トレースする必要があるかなどを判断する。
図表や写真などはデータ入稿もあるので、それが使用に耐えるかどうか判断しながら、補正でいけるか、作り直すか、再入稿を求めるかなどを判断する。
こうして原稿の有無とそれぞれの処理方針を一覧にして、壁に張り出すのだ。
作業に入ると、済んだものからマーカーでラインを引いていく。
テキストや図版など材料処理から入るので、マーカーのチェックははじめ、部分的だ。その項目のすべてが終われば、マーカーは1本の線につながる。
張り出した一覧のところどころだったマーカーのチェックが、作業が進むにつれて、次第にマーカーの色で埋まってくる。つまり、仕事の進行状況が一目で見える。
今の仕事で、部分的なマークが1本の線につながり出したのは、3日前だった。B4用紙2枚、130項目ほどの一覧がマーカーで真っ赤になったのは、ようやく今日の夕方だった。
この様子、なんだかどこかで見たことがあるなと思ったら、ノートン先生が断片化を処理する時の画面に似ている。最初はいろいろな色でまだらなのが、処理が進むにつれてきれいになっていくあの様子。
そういえば編集・組版って、断片的な原稿をひとつの書物にまとめていく作業だな、と改めて思った。