Winマシンを買って納得したこと2題
暑中お見舞い申し上げます。
このコーナーを更新するのは実に久しぶりだ。気がつけば半年以上、もう8か月になろうとしている。このままでは2000年のネタは皆無になるかもしれないとの危機感がつのってくる。
さて、先日初めてWinマシンを買った。Windows98を搭載したMebiusノート。このコーナーの冒頭で「僕はMacファン」と書いたが、もちろんそれに変わりはない。しかし、WordなどWinのワープロソフトそのままの形式での入稿が多いことや、講座などで話す際に参加者にWinユーザーが多いこと、Webページの表示確認などにも有効なことなどから、思い切って買うことにしたのだった。もちろん借金だが……。
で、僕はかねがね、やってくる原稿ファイルや知り合いのWinユーザーなどを見ながら、疑問に感じていたことが二つあった。
その一つは、テキストファイルでの入稿の少なさから、「テキスト形式で保存する」というごく単純に思えることがどうしてなされないのだろうか、ということだった。
MacかWinかというOSの違いはもちろんだが、同じOS環境であってもアプリケーションソフトがさまざまにあり、しかもどんどんバージョンアップされている状況では、原稿データの入稿にはテキスト形式がもっとも安全だ。これはプレーンテキストと呼ばれる、ソフト独自の文字修飾情報などを排除した文字情報だけのファイル形式のことで、ほとんどのパソコンで読むことが可能だからだ。
しかし、このことを知らなければそれはそれで仕方がない。伝えたつもりでも伝わっていなかったのかもしれない。
が、僕はWin版Wordで文書をテキスト形式に保存しようとして、やや唖然とした。選択肢がとても多いのだ。「ファイルの種類」に並んだうちにテキスト形式と思われるものは、なんと6種類もあった。「リッチテキスト形式(RTF)」「テキストのみ」「テキスト+改行」「MS-DOSテキスト」「MS-DOSテキスト+改行」「エンコードされたテキスト」。その他にもさまざまなファイル形式がずらりと並ぶ。
この場合は「テキストのみ」で保存すればまずは問題ないと思うが、知っているつもりでも一見したら迷ってしまう。しかも最近は拡張子が表示されないようで(実は自動でついているのだが)、「拡張子を.txtにすればいいですよ」と言ってもピンとこないらしい。実際、ファイル名にわざわざ拡張子をつけたらダブってしまった。こうなると、あまりパソコンに詳しくない人が「よくわからないからWord文書にしておこう」と考えても何の不思議もない。なるほどそういうことだったのか、となんだか納得してしまった。
もう一つは、せっかく大容量のハードディスクがあるのに、文書などの保存をフロッピーだけで行っている人が少なくないことだった。そのため、何らかの影響でフロッピーが破損してデータを失い、「どうしよう!」と嘆いているケースに何度も遭遇した。バックアップの話は省略するが、作った文書はとりあえずハードディスクに保存しフロッピーはそのデータの移動媒体として扱うものと思っていたから、そのたびに驚いたものだった。
で、Win98の「マイコンピュータ」からCドライブのハードディスクを覗いてみた。横文字ばかりのフォルダやアイコンが並び、それらを開いていくと、なかには「警告 このフォルダの内容を変更すると、プログラムが正常に機能しなくなる可能性があります」などと書いてあるものもある。
まあ、システムやアプリケーションソフトなどはこうした警告も当然だろうが、これらを目の当たりにすると、「このディスクは侵してはいけないもの」という印象が漂ってくる。慣れてくればなんともないのだろうが、そうでなければ以前に使っていたワープロのクセもあってか、フロッピーに保存しておこうと考えるのも無理はない。もちろん事情はほかにもあるのだろうが、これまたなるほどなあ、と変に納得してしまった次第。
それゆえか、ちゃんとハードディスクに「マイドキュメント」というフォルダがあり、そのショートカット(Macのエイリアスにあたる)がデスクトップに置かれている。「ユーザーはここを自由にお使いください」という配慮のように思えた。
もちろん、MacのフロッピーをそのままWinにまわす人もいる。僕の知り合いのMacユーザーにも、十数GBという大容量ハードディスクをもちながら、いったんハードディスクに保存したものをすぐにMOにコピーし、しかもごていねいにその後ハードのデータを消してしまうという人もいるから、この件の本質はけっしてMacかWinかということではない。
(記/2000.8.5)
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