このお酒は、ふり袖、神聖、富翁、招徳、鶴正宗の5蔵が連携して2005年夏に結成した「京の老舗酒蔵会」(京都新聞記事参照)のオリジナル商品のひとつ。蔵は、初めて飲む鶴正宗。せっかくなのでこれを買ってみた。四合瓶で1,312円と、このクラスでは廉価なのもいい。
瓶には「伏見の天然名水仕込・京都限定品」と書いた封印ラベルが貼ってある。注意深くめくって開栓した。吟醸香がこぼれ出る。いつものコップに注ぐと、無色透明だ。
香りには覚えがあるのだが、毎度のことで、表現できないのが情けない。飲み口はスッキリしている。端的に言えば淡麗辛口なのだろう。ほどなくして、アテがほしくなってきた。先日ビールのアテにしたピーナッツが残っていたので出してきた。まんざら悪くない。
この老舗酒蔵会のような蔵の連携は、とてもいいことだと思う。とりわけそのオリジナル商品がいずれも純米吟醸酒と、いわば本物志向なのもうれしい。
同時に飲む側としては「もうひと声!」とも言いたいところで、いつも思うのは、京都のお酒をいろいろ楽しめるスペースがあればということ。この方面にも、なんとか力を入れてほしいと思う。
この点では今年、9月1日から10月20日まで地元のFM局「αステーション」と提携して「α Sake Bar」という企画が、烏丸姉小路の「新風館」を会場にして開催されていた。伏見の20蔵のお酒を楽しめるという、僕的には「これや!」と叫びたい魅力的な内容だったようだ。
もっとも、期間限定だったのとなかなか時間が取れなかったのとで、結局僕は足を運ばなかった。でもこうしたスポットが常設であれば、きっと足げく通うのではないかと思う。
ただし、そうなった時の唯一の不安は、飲み過ぎて酔いつぶれてしまわないかということ。どうもここ数年、外で地酒を飲むとつぶれている。ビールに徹していればまだましなのだが、そのあたりとの兼ね合いが課題になりそうだ。
(記/2005.10.23)
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