1月も油長さんの企画の酒蔵見学で招徳酒造を訪ねたが、その時の利き酒会で口にしたこのお酒が気になったので、あらためて買い求めてみた。
竹の皮に包まれている。どう見ても本物の竹皮だし、どう考えても手作業だ。パリパリに乾いているのが年月を感じさせる。
実は、注ぎにくいかと思ってこの竹皮を外してしまった。ネットで少し検索してみると、竹の皮は光を完全に遮断するので保存によいらしい。注ぐには口の方を少し切ればよいとわかって、再びとりつけた。いつもの栓をつけたら、切らなくてもいけそうだ。
ラベルには「生一本」とあって、瓶には「口上書」なるものがついている。「生一本」とは純米醸造で加水しないお酒だとある。以前はテレビのコマーシャルでよく聞いた気がするが、僕はこのごろあまり耳にしないので、ちょっと懐かしい。
さてコップに注ぐ。蔵見学でも「色がついているのはいいことです」と教わったが、淡い琥珀色だ。香りが少しこぼれ出る。
口に含むとやや濃い感じ。原酒なのでアルコール度も少し高いが、それだけでもない感じがする。水が加わるとアルコール度だけでなく、口あたりも薄まるのだろう。
甘辛という点では明らかに辛口だ。しかし喉に落としたあとの残り香に旨みも感じる。
辛口といえば、いつもやっているのがポールウインナー合わせ。冷蔵庫から出してきて、一口かじってお酒を口に。合う。お酒もポールウインナーもマイルドになってより旨い。
こういう飲み方は僕もわりと最近するようになったことだが、あるとき知り合いのスナックでそんな話をしたら驚かれた。曰く「口に何かある時に飲むなんてしたことないし、しようとも思わへん」。まあ確かに、ピーナッツをかじりながらウイスキーの水割りを飲むなんていうのも、味気ない気がする。
こういう飲み方ができるのは、日本酒やワインなど醸造酒ゆえなのかもしれない。
(記/2007.1.27)
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