[京のお酒エッセー 2007.9]

小国文男
京のお酒エッセー

特別純米原酒「魯山人」(東山酒造・伏見)

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【データ】
特別純米原酒「魯山人」
醸造元:東山酒造有限会社
製造年月:2007年7月
原材料名:米・米麹
原料米:祝100%
精米歩合:60%
アルコール分:17度以上18度未満

 日本酒度などの表示はないが、いつもの生協のポールウインナーを食べながらこのお酒をいっしょに飲むと、両方ともマイルドになって旨いから、僕的には辛口のお酒だ。
 それと、やや重いような気もする。アルコール度数が少し高めなのも影響しているかもしれない。

 特別純米酒というのは、純米酒で精米歩合が60%以下のものだという。
 僕はこれまで、これは事実上、純米吟醸酒と同じか同程度のものと思っていた。というか、吟醸酒、大吟醸酒も、ようするに精米歩合の違いによるものだと理解していた。
 だからこのサイトでも、吟醸酒でない場合に精米歩合を見て「実質的に吟醸」と書いたことがある。
 でもどうやら、そんな単純なことではないらしい。吟醸酒とそれ以外とではそもそも作り方が違い、吟醸酒は「吟醸造り」と呼ばれる特別な作り方だという。何がどう違うのだろう。

 ネットで調べてみると、吟醸造りは、吟醸酒用の酵母を使用すること、よく管理された低温醸造であること、手作業でていねいに醸されること、などが見えてきた。
 そういえば去年から通っている酒蔵見学や蔵講座等でも、以前は蔵ごとの秘伝のようなところがあったが、最近では簡単に吟醸香を出せる酵母があると聞いた。精米歩合が高いので浸水時間が短く、手早くするためにも手作業の方がいいという話もあったと思う。しかもこの浸水時で、仕上がりがほぼ決まるのだという。

 ということは、こうした吟醸造りをしていないわけだから、特別純米酒とはつまり、通常の純米酒用の醸造ラインで精米歩合の高い米を使ったお酒、ということなのだろうか。また機会があれば聞いてみようと思う。

 そんなことを考えているうちに、口元がかなり辛くなってきた。また冷蔵庫にポールウインナーを取りに行ってしまった。

(記/2007.9.4)

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