似顔絵
祇園のスナックで飲んでいたら、ボックス席で飲んでいた見知らぬおじさんがカウンターの僕の隣に座った。マスターに「紙をくれ」と言っている。
何なんこのおじさん、と思っていたら、紙を受け取ったおじさんは、しきりに僕に目を向け、何やら紙に書いている。見ると、どうやら似顔絵らしい。 「この人、デザイナーさんや」 とマスターが言う。頼みもしないのに似顔絵を描いていただくというのは初めてだから、まんざら悪い気もしない。
描き上がって見せられた絵は、どこが上だか下だかわからなかったが、よく見ると、この図の向きらしい。 よーするに、おでこが印象的だったとのこと。なるほどそういえば、上から左にかけては髪の毛で、右側はおでことメガネと髭だ。 下から斜めに書かれた象形文字のようなのはサインらしい。おじさん、かなり酔っていた。
「これ、僕のホームページに掲載してもいいですか?」 「いいよ」 このおじさん、どんな有名デザイナーか知らないが、ひょっとして何年かしたら、プレミアがつくやろか。
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