[えでぃっとはうすのときど記]

カゴのハト

 先日のことだった。ビールがほしくなって夜中にコンビニに行こうと玄関を出たところで、前に置いているバイクの前カゴに何か白いものがあるのが目に入った。よく見るとハトだ。ケガをしているようには見えないが、しかし動かない。どうやら死んでいるようだった。かわいそうに……。

 さて困った。こういうのはどうすればいいのか。朝まで置いておくのもどうかと思うし、家の周りはコンクリートばかりで埋めるようなところもない。仕方がないからゴミとして扱うことにした。
 後で知り合いに聞いたら、傷ついていても生きていれば保護するところがあるし、町内にそういう係の人もいるそうなのだが、死んでいればゴミ扱いするしかないという。

 しかし気になったのは、なぜそこにハトがいたのかだ。
 少し離れた公園にいるのは知っているが、ここに越してきて10年近く、家のまわりでハトを見た記憶はない。バイクのまわりに羽根が散らばっているわけでもなく、実にキレイに、しかも外から見れば奥になる前カゴに入って死んでいるなんて、かなり不自然ではないか。
 それに、たまたまその日は夕飯もそこそこにずっと玄関横の事務所で仕事をしていたが、鳥が飛んできて落ちるような音は耳にしていない。

 すると、ひょとしたら誰かが置いたのではないか、という可能性が浮上してくる。
 でも誰が? なんで? なんのために? なんでうちに? これっていわゆる「いやがらせ」? ならターゲットは僕? 女房? それとも子ども? と次々出てくる「?」のオンパレード……。

 まあ仮にいやがらせだとしても、誰だか知らないけどさ、あんたターゲットを間違えてんじゃないの? いやホンマ。うちとこにいやがらせしていったいどんなメリットあるんやろ、と思うなあ……。
 僕の被害妄想だといいんだけど。

(記:2004/07/08)



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