取材先で偶然、名札に見覚えのある名前を見つけた。顔をうかがうと、確かに面影があるというか、若い頃と変わらない風貌だ。学生時代に世話になった先輩に違いない。とっさに声をかけてみた。「もしかして○○○○さんではありませんか?」「えっ?」 先輩はすぐに反応した。学生時代に親しんだニックネームで尋ねたのだから無理もない。そんなのは当時を知る者しかいないのだから。 もっとも、先輩は怪訝そうな顔をしている。こちらがわからないようだ。「小国です」「あ、小国君?」「はい」「えらいハゲたなあ。わからへんかったワ」「あははは……」 なにしろ20数年ぶりだ。お互い「なんでここにいるねん?」状態。取材をよそに、しばらく互いの近況で話が盛り上がってしまった。 昔もさわかやかな人だったが、相変わらずさわやかな仕事ぶりのように見えた。なんだかさわやかさをもらったような気がした。
(記:2004/09/01)
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