[えでぃっとはうすのときど記]

不可解な文字化け

 ショッキングな連絡が入った。すでに納品し出版された本で文字化けが見つかったという。保存データをチェックしてみると、指摘された通り、校正段階ですでに文字化けしていたことが確認できた。何度もチェックしながら見つけられなかったことが悔やまれた。

 ただ、その文字化けはかなり不可解だ。いわゆる機種依存文字や外字の使用に伴う文字化けとは明らかに違い、次のようなものだった。

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photo しかも、現在のところ2か所だけなのだ。同様の文字が同様に文字化けしているわけではない。
 似たようなケースをWebページで見ることがある。たとえばperlで再現すると、右のようなものになる。これは、矢印の左側の2文字のうちそれぞれ左側の文字のシフトJISコードの2バイト目がエスケープ文字と同じであるため、これをスクリプト内にそのまま記述すると、perlが誤って判断するためだという。その文字化けした結果が矢印の右側なのだ。

 とはいえ組版で使用したのはQuarkXPressなので、上記がそのままあてはまるとは考えにくい。制作過程を振り返ってみると、次の通りだ。

1)原稿データはWordデータで支給された。これらはMacOS X 版のWordでテキストに変換した。
2)QuarkXPress3.3で制作を開始し、本文はリュウミン-Rで組んで初校を出した。
3)2校時に索引作成が指示されたので、QuarkXPress4.1に切り替えた。以後ずっと4.1を使用した。索引作成時にクラッシュが頻発したが、これはATOKの推測変換との相性と推測された。その原因判明後はクラッシュはなかった。
4)3校の前にレイアウトの一部変更があり、サンプルを2種類示した。ここまでは上記文字化けはなかった。
5)サンプルが選択されたので、それを使って3校を出した。この時以後のファイルで文字化けしており、さらに2回の校正チェックがあったが、気づかなかった。

 3校に至る過程で、文字化けの近くの共通する文字の索引指定を解除していた。これがからんでいるかと思って同じ作業をしてみたが、症状が再現することはなかった。
 データはすべて私のMac内で処理したもので、それを校正のたびに印刷所に送り、そこでプリントアウトしていた。データは常にこちらから印刷所への一方通行だった。

 そんなわけで、なぜ文字化けしたのかまったくわからない。事後のためにも解明したいと思うのだが、正直なところお手上げ状態なのだ。
 こんなケースに遭遇した方はいらっしゃるだろうか。

(記:2004/09/02)



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