[えでぃっとはうすのときど記]

住めば都

 このところ、事情で田舎と京都をひんぱんに往復している。何年か前にトンネルが開通して以来、福知山から兵庫県の但東町を通って京丹後市へ北上するコースが定番で、車で片道約2時間半ほどだ。田舎と但東町は山ひとつ越えたとなり町なのだが、このコースを通るようになるまで実はほとんど知らなかった。

 このごろ、その但東町でひとつの看板が気になっている。こんなふうに書いてある。

「住めば都 但東町」

 「住めば都」はよく知られた慣用句。『広辞苑』によれば「住みなれれば、どんな僻地や環境でもそれなりに住みよくなる」(第四版)とある。用例サンプルとしては、たとえば「こんなところだけど住めば都さ」といったところだろうか。
 ようするに「わが町は僻地でっせ」と宣言しているわけだ、まず。その上で「だけど住んだらハマりまっせ」と言いたいのだ。力点はもちろん後者だろう。でも僕は、同じ田舎人だからか「ここは不便やねん」と開き直っているようで面白いわけ。

 で、そんな看板があるのだから町のキャッチフレーズか何かかと思って但東町のホームページにアクセスしてみた。が、トップには「いきがい・ふれあい・安心のまち」とある。「住めば都」と違うやん。ならばサイト内に「住めば都」があるかとキーワード検索してみたが、ヒットしなかった。するとあれは何?
 改めて「住めば都 但東町」をキーワードにgooで検索してみた。すると同町商工会青年部のサイトに、ブルゾンの背中に町長筆の「住めば都 但東町」をプリントして贈呈した旨の記事が載っていた。町長さんが筆をとるのだから何かワケがありそうだが、それ以上はわからない。
 さらにgoogleでは、僕と同じようにこの看板を見て驚いた人の日記がヒットしたが、他にめぼしい情報は見つけられなかった。

 というわけで今のところ、これが何かはナゾなのだ。

(記:2004/10/12)



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