カッコの順番
僕は長い間、日本語組版でのカッコの扱いを間違えていたようだ。カッコ内にカッコがある場合は、次のようにするのだと思いこんでいたのだ。
(カッコ内に〔カッコ〕がある)
つまり丸カッコが一番外で、次に亀甲カッコだと思っていたわけ。 考え方としては、丸カッコに囲まれた部分が基本で、その中に小さなカッコが入る。数学的というのか、カッコのある式を大きなカッコで囲む、という考え方とは違うのだと思っていたわけだ。 たまたまだろうが、ATOKの文字パレットのカッコ一覧でも丸カッコの次に亀甲カッコがあったので、これはそういう順番で使うのだと勝手に解釈していたのかもしれない。
最近の仕事で、カッコ内カッコが多いものがあった。校正で、亀甲カッコを丸カッコより外にするよう指示がある。最初は「なんでやねん」と無視していたのだが、あまりに多いのでだんだん気になって、『朝日新聞の用語の手引き』を開いてみた。するとそこには、こう書かれていた。
カッコ内にカッコを使うときは、次の順序で使う。 〔(〈 〉)〕
あらまー、そうだったのん? やっぱり、カッコのある文を大きなカッコで囲むという考え方なわけね。 まあ、一冊のなかで統一されていればハウスルールというのも言えなくはないだろうが、これまで間違えた仕事をしてしまったみなさん、ど〜もすみません。
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