Data Rescue X でやっと復活
MacOS X 10.4.3アップデータによるG5のトラブルは、約1週間かかり、ずいぶん回り道をして、最終的にData Rescue Xでデータを復旧し、システムの再インストールにたどりつくことができた。かなり疲れた1週間だった。
実はやっぱり、ワンクリックごとに5分も10分も待たされたのではいくらなんでもかなわないと思ってネットで情報を探していたのだが、アップルのディスカッションボードでデータ復旧のソフトが紹介されていたのを見つけたのだ。それが TechTool Pro 4とData Rescue Xだった。 いずれも高確率でデータを復旧できたという。僕には実に耳より情報だった。さっそく、それぞれのサイトにアクセスしてみた。そして、値段的にそう大きく違わず、データ復旧だけでなく日常的なメンテナンスもできること、ダウンロード販売があってすぐに使えることから、僕はTechTool Pro 4を選んだのだった。すでに新しいディスクで起動しているので、CD-ROMのないダウンロード販売でも問題ない。
さっそくその機能のなかから「データリカバリ」を試みた。当然と言えば当然なのだろうが、データを復旧しようと思えば、まずはそのディスクなりボリュームの状態を調べねばならない。ところが、進行状況のバーは数%のところで止まってしまった。一晩そのままにしても変化はなかった。 ならばと、そのソフトの機能を使ってテストやメンテナンスを試みた。ハードやディスクには問題なかった。OSを入れていた一つのボリュームに問題が見つかった。予想された結果だ。しかし、修復を試みたがエラーで失敗したという。 今度は、ファイル構造のテストを試みた。問題のあるファイルを拾い出してくれるという。それを捨てれば活路が見えるかもしれない。最初は同様に進行状況のバーが数%から動かなかったが、同じテストコーナーに含まれていたファインダ情報のテスト・修復を同時に行うようにすると、作業が進み出した。
丸1日たって半分ほどに進んだが、待ち切れなくなった。もしかしたらこの段階までに抽出されたファイルを捨てられるかもしれないと思って作業を止めたら、レポートには単に「中止」と出ただけで、12時間を無駄にしてしまった。そういえばこのソフト、途中で強制終了などするなと書いてあった。強制ではなかったのだが、結局やりなおすしかなかった。 やりなおしても、同じように半分程度まで12時間ほどかかっていた。そのままにして所用で外出して夜に戻ってみると、9割ほどまで進んでいた。これはもう少しで終わるかと思ったが、朝になっても変わらない。せっかくここまで来たのに中止してはまた無駄になると思って待ってみたが、昼になっても夜になっても、あと1割が進まなかった。 かれこれ40数時間になる。いくらなんでももうダメだ。中止。ほかにもいくつかメニューを試みたが、ことごとく失敗した。どうやら、このソフトを使うには状態が手遅れのようだ。 あとで考えて納得したが、これで復旧した人は、日頃からこのソフトのセーフティ機能を利用していたので、うまく復旧できたのだろうと思われた。
半分あきらめつつ、最後の悪あがきにData Rescue Xのデモ版を試してみた。復旧できるファイル数が一つだけという制約があるが、それ以外は製品版と同じという。 このソフトも、最初にすることはディスク内容のスキャンだった。しかし、さすがに復旧のみに特化したソフトだけのことはあって、「こわれたブロックがある」などとメッセージを出しながら、着実にスキャンが進んで行く。「おおっ!」と期待が高まった。しかし、9割で止まるかもしれないからぬか喜びはできない。 はたして、70GBのボリュームに4時間ほどかかったが、それまでのことを思えば感動的な早さでスキャンが完了した。試しの復旧もうまくいった。こうなると買うしかない。
サイトをよく見ると「お急ぎの場合は」という但し書きがあって、クレジットで買えば製品発送を待たずにすぐに登録コードをメールで送るので、それをデモ版に登録すれば使用可能だという。ああ、なんてこった……。まったく不覚のひとことに尽きる。しかも一度スキャンすればそのデータをデモ版でも保存でき、次にはその保存データを利用できる。なんとありがたい。 さっそく登録して、復旧作業を行った。ユーザフォルダとその他にどうしても必要な最小限のファイルが、2時間余りで戻ってきた。うれしい。むろん壊れているファイルも少なくなかったが、幸いなことに、その多くはすでに用済みのものだった。
その後このボリュームは、ディスクユーティリティでゼロ書き込みのオプションを選択して完全消去し、MacOS X Tiger 10.4を再インストールして、同10.4.3へのアップデートを行った。今度は何も問題なかった。これからぼちぼちと環境を再構築していこうと思っている。 今回のトラブルはようするに、日頃のメンテナンスとバックアップに問題があったということだろうと思う。そして、トラブルに遭遇してディスクやボリュームが壊れたら、余計なことをせずに早く復旧ソフトを使うべし、と実感した一件だった。むろん、せっかくなので今後、TechTool Pro 4も活用しようと思っている。
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