[えでぃっとはうすのときど記]

銭湯とコーヒー牛乳

 風呂が工事中なので、このところ銭湯に通っている。学生時代や独身の頃はもっぱら銭湯のお世話になっていたが、結婚してからは数えるほどしか行っていない。今回はおそらく十数年ぶりの銭湯だと思う。そのせいか、最初は失敗してしまった。

 というのは、先日行った「天山の湯」をはじめスーパー銭湯や温泉など、手ぶらでも困らないことが少なくない。石けんやシャンプー、あるいはタオルなども常備しているからだ。その感覚でタオル1本で銭湯に行ってしまったのだ。考えてみればいつも、洗面器に石けんなど一式を入れて持って行ったものだった。

 気がついたのは浴場に入ったあとだ。洗面器はあるが石けん類はなかった。いや、番台で買えばいいのだ。しかし、当然ながらすでにスッポンボン。番台には若い女将さん。うーむ……。仕方がないから湯船の中でじっと座っていた。
 やっぱり銭湯では、体や頭を洗ったり湯につかったりという一連の動きがないとなんだか落ち着かない。加えて若い頃は、毎日行けなかったということもあって、体を洗ってから湯船に入るという流れを習慣にしていた。そのせいでなんだか、お湯を汚しているのではないかという罪悪感にさえとらわれてしまったのだった。

 2度目は準備万端だ。洗面器に風呂道具一式を入れ、意気揚々と銭湯に向かった。やっぱりいつもの流れができると気分も落ち着く。すっかり暖まって脱衣所でコーヒー牛乳を飲む余裕も生まれた。ここのは瓶入りで、セロファンのカバーをめくって、小さなキリのような栓抜きで紙の栓を抜くのが懐かしい。
 車だったからアルコールは問題外だが、やっぱり僕的な銭湯でのお風呂上がり飲料の定番は、このコーヒー牛乳なのだ。

(記:2006/01/16)



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