[えでぃっとはうすのときど記]

酒米をかじる

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 このごろ毎月参加している油長さん企画の酒蔵見学だが、今月は招徳酒造に行ってきた。銘柄はいくつか飲んでいるが、蔵を訪ねるのは初めてだった。

 蔵ごとに、自分なりのトピックがある。
「これが『祝』です」
 僕の人生より長く酒づくりに携わっているという案内人さんが、米袋から出した米を手に乗せて差し出す。直径2〜3ミリにまで削られた小さな米つぶだ。60%精米というから吟醸酒用。
 そのいくつかをつまんだ。これまで見ることはあってもさわることはなかったから、初体験。せっかくなので食べてみた。硬いと思ったら意外にもろくて、少し噛んだら口の中で簡単につぶれた。そして、しばらく噛んでいると旨くなってくる。

 歩きながら、たまたま油長のご主人と並んだ。
「意外に柔らかいというか、もろいですね」
「あ、そうですか。中心のでんぷん質の部分だからでしょうね」
「けっこういけますよ」
「口の中で糖化されるんですね」
 なるほど……。

 あとで案内人さんの説明を聞くと、米を出した意図は別のところにあったようだが、まあいいや。酒づくりのベーシックな話から、利き酒の仕方まで手本を示して教えていただいた。今回も勉強になった見学だった。

(記:2007/01/21)



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