[えでぃっとはうすのときど記]

初めてPLCを買う

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 田舎の実家に先月末、田舎の市の独自事業による光インターネットが、予定より4か月ほど遅れてようやく開通した。
 開通してすぐに、ルータから有線LANでつないでいつもの測定サイトで測定すると、だいたい8Mbps程度だった。去年まで使っていた頃のCATV回線並みだから、光としてはかなり遅い。それでも、これまで実家では電話回線か、あるいは携帯をモデムにしていたから、それに比べれば雲泥の差だ。

 ところが、ちょっと問題が出てきた。配線工事の都合もあり、光のモデムは母屋の入り口近くにある。実際に作業で使うのは別棟の離れ。無線LANでアクセスすると、思った以上に速度が落ちた。だいたい2Mbpsくらい。50MBくらいのデータをアップロードするのに15分くらいかかってしまうから、データのやりとりには少々差し障りがある。
 無線ルータの位置をできるだけ離れ寄りにしてみたが、変わらなかった。問題は距離ではなくて壁などの障害物らしい。とはいえ離れた別棟だから、有線LANにするのはかなりしんどい。さて困った。

 そこで、PLCはどうだろうかと考えた。家庭の電気配線を使った通信で、アダプタをコンセントに差し込むだけでホームネットワークができるというものだ。さっそくネットで調べると、いろいろ難もあるようだが、なんとか使えそうな感じだ。

 不安だったのはまず、家がきわめて古いということ。なにしろ電気配線はむき出しだし、分電盤などというものはなくて、いくつかに枝分かれした配線グルーブごとにそれぞれブレーカーがついている、というもの。「単相三線式」などの説明もあったが、わが実家のそれは単相二線式のようだ。しかし、もしかしたらこれは、PLCにとっては単純でよいのかもしれない。
 もう一つの心配は、母屋と離れの間で通信できるのか、ということ。これも、ようするに一つの電気メーターのエリア内であればOKらしい。幸い、離れの電気は母屋から引いているから、電気配線としては一つのネットワークだった。

 というわけで、きっとできるハズと決断して買ってしまった。が、最終的にはやってみないとわからない。つながらなかったらどうしよう、と不安をかかえつつ接続してみると、はたしてつながった。思わず「おお!」と声が出た。アダプタ間は10M〜30Mbpsで通信している模様だ。
 結局、光のモデム→母屋のPLCアダプタ親機→電気配線→離れのPLCアダプタ子機→無線LANルータ→MacBookと、最後は無線でつないだ。いつもの接続サイトでの測定でも、ムラはあるが、8Mbps前後まで出るようになった。50MBのデータのアップロードも7分半ほどと、ほぼ倍のスピードだ。ノイズフィルターなど使えば、もう少しましになるかもしれない。

 まあ、まだまだそう早くはないが、WAN側のスピードを考えれば仕方ないだろう。まずは、決断して正解だった、とホッとしているところ。

 ちなみに、一部に通信できないコンセントがあった。なぜだろうと思ったが、どうやらケーブルの問題ではないかと思える。ブレーカーには50年ほど前の古い2本組の電線もつながっていた。そのコンセントは、おそらくこれを通っているのだろうと思う。

(記:2008/08/30)



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