デジカメだからこそのストロボのマニュアル操作
しばらく前、仕事でカメラマン氏といっしょになり、休憩でお茶している時のことだった。ストロボはマニュアルで1/8などの設定にしている、と聞いた。発光量のことだ。数字はフル発光に対する1/8とか1/16などで、これで発光量を調節できるのだという。それがきっかけだった。
僕にとってストロボ撮影は、いつも悩みのタネだった。カメラとストロボの接触不良もあるようで、自動調光のTTLがうまく働かずに過発光でまっ白になるケースがあって、困ったものだと思っていたところだった。 ストロボのマニュアル設定などとうてい無理だと諦めていたが、よーするに発光量の調整だと理解すれば単純だ。しかもデジタルだから、モニタで見て、明るすぎれば発光量を絞ればよいし、暗ければ上げればよい。多少の手間はあるが、ややこしい計算などしなくても、見て確かめればいいわけだ。 なーるほど。急に目の前が明るくなった気がした。
そうなると、使わなくなっていたストロボも有効活用できるのではないかと考えた。ゴソゴソ探すと、4個も出てきた。 もちろんそれぞれに歴史がある。写真の左の2個は、アナログカメラで使っていた。デジカメを買った時に、デジカメ用が必要かと思って3つ目を買ったが、どうもうまく使えず、やっぱり純正がいいのかと思って4つ目を買った。 確かに、自動調光をきちんと使おうと思えば機器の相性のようなものはあるようだ。SIGMAの同じストロボにも、ニコン用、キヤノン用などがある。けどマニュアル操作するなら、4つのストロボはまだ全部使える。
このうち、2つのストロボがスレーブ発光に対応していた。他のストロボの発光を感知して発光するものだ。メーカーが違っても単純なスレーブ発光なら使える。 また、カメラ側のストロボがTTLだと本発光前にプレ発光をするらしく、その段階でスレーブ側が反応するので本発光と同調しないが、カメラ側もマニュアルだとプレ発光がないのでちゃんと同調する。この仕組みも、後にカメラマン氏に教えていただいた。
内蔵ストロボはマニュアル発光に対応しないようなので、スレーブ発光に対応していない3台目のストロボをカメラにつけてマニュアル発光させ、2台目と4台目を単純なスレーブ発光に設定することで、3つのストロボを同調させることができた。 3台目のストロボはマニュアルでの発光量調節がフル発光と1/16の2段階だったが、2台目、4台目はさらに多段階で調節できた。
こうなってくると、ストロボ撮影は面白いものに変わった。ライティングにはまた別の難しさがあるのでまだまだ未熟だが、最近の「お酒エッセー」の写真も複数のストロボを利用し始めている。 使わなくなっても処分してなくてよかった、としみじみ思う。
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