「どんぐりの会」は京都府南部の乙訓地域で、重い障害をもって生まれたり、病気や事故のために重い障害を背負うことになったわが子に直面した親たちが、養護学校卒業後の子どもらの進路を考えるため、1985年に結成した会です。1991年には重症心身障害者の通所施設「どんぐりの家」を開所し、最初の通所者4人と職員4人での取り組みが始まりました。
この本は、どんぐりの家が2000年秋に閉所するまでのこの会の歩みをまとめたものです。2部構成のこの本のなかで、私は第1部の「どんぐりの会物語」を執筆しました。
私はこの世界にまったく疎く、作業所や施設などで働いた経験もありません。だから、いわゆる実践記録を書くのはハナから無理と思っていました。そこで、「重症心身障害者」とはどんな人なのか、親たちはどんな思いで会をつくり施設をつくってきたのだろうかと、この仕事を依頼された当初にいだいた私自身の関心から出発し、子どもたちが生まれた頃にまでさかのぼって30年近くに及ぶ歩みをドキュメンタリータッチで描いてみたものです。
どんぐりの会との共著となり、私にとっては3冊目の著作になりました。
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