京都府北部、丹後・与謝地域に障害者の作業所など23の事業所を展開する社会福祉法人よさのうみ福祉会の、行政や地域と連携しながらの取り組みを世に発信しようという1冊です。私はこの本の第1部「『リフレかやの里』再生」100ページほどの執筆をお手伝いしました。
「リフレかやの里」は、それまで休業していた町立の宿泊型保養施設を、同福祉会が与謝野町から指定管理を受けて2011年10月にリニューアルオープンしたもの。連携を象徴する施設の一つです。
私の実家にも近いので以前の「リフレかやの里」も知っていましたが、今回の取材でプレオープンの頃から通ううち、障害のある人もない人もいっしょに働く新しい「リフレかやの里」がすっかり気に入り、プライベートでもよく訪ねるようになりました。
ランチバイキングが全般に美味しいのはもちろんですが、特に丹後のばら寿司がおいしく食べられることと、有機栽培のコーヒーが私のお気に入り。京都と丹後の往復時、ちょっと回り道をしてもここのコーヒーを飲んで休憩したくなる味です。
でも書いたのは、こうしたお店紹介ではありません。障害者福祉を専門とする社会福祉法人なのにホテル・レストランを運営するという一見無謀なことがどうして発想されるのか、そんな発想を育むこの福祉会はどんな組織なのか、そしてそれがどうして実現するのか、などをざっと50年近くさかのぼりながら探ったものです。そのあたりに連携の秘密も隠れているように思えます。
私も地元なのによくは知らなかった、与謝の海養護学校の建設運動から現在に至る丹後・与謝地方の障害者福祉の歴史にも触れた1冊となりました。
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