福岡県鞍手町に法人本部を置く社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会は数年前から、福祉制度を利用して「カレッジ」と名づけた知的障害者のための大学づくりを展開しています。すでに「カレッジ福岡」(福岡県福岡市)、「カレッジながさき」(長崎県大村市)、「カレッジ北九州」(福岡県北九州市)、「カレッジ早稲田」(東京都新宿区)、「カレッジ久留米」(福岡県久留米市)の5か所へと広がり、そこで学ぶ学生は80名を超えています。
本書は同法人の長谷川正人理事長が、知的障害者の大学づくりの流れをさらに広げようと、全国専攻科(特別ニーズ教育)研究会会長の田中良三愛知県立大学名誉教授、猪狩恵美子福岡女学院大学教授とともに編んだ1冊。私も1年余り博多に通って、この本づくりをお手伝いをしました。
これまでなかったものを試行錯誤しながら開拓していく仕事は、やりがいのある面白いものだと思います。私は、長谷川理事長をはじめ現場の支援教員のみなさんたちに触れながら、そういう仕事ができることをうらやましく思ったものでした。この本を通して、そんな姿が少しでも伝わればと思います。
ちなみに、偶然にも理事長と私は同じ大学の同窓生でした。学年は違うもののほとんど同じ時期に学生時代を過ごしていました。どこかですれ違っていたに違いないと思いますが、当時は互いにまったく知りませんでした。
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