[QuarkXPress奮戦記 vol.1]

縦書き多段組み編集の行揃え(1)

 QuarkXPressで縦書き多段組みの紙面を編集しようとすると、なかなかやっかいだ。特に右側に見出しや画像が入る場合の行揃えがくせもので、おそらくQuarkXPressで組んだと思われる紙面を見ても、行が揃っていないものがよくある。意図的に揃えないのなら問題ないが、揃えたい時にどうするか。
 横組みであれば「ベースライングリッド」という便利なものがあるが、これは縦組みには使えない。ガイドラインを目安にしたり、いろいろ試してみたけど結局、最も強力な助っ人は「電卓」だ、とこのごろ思っている。
 つまりまず、行数が正確にピタリと収まるテキストボックスを作る。これをベースにすることがカギだと思うのだ。
 画像などのスペースは、空けたい行数分のボックスを、行揃え値と行数から計算して作って貼る。あるいは必要な分だけ正確にテキストボックスを狭くする。ちょっと手間だけど、これが現状のQuarkXPressの行揃えの方法としてはベストだと思う。その計算に「電卓」が活躍するわけだ。以下に、その方法を紹介しよう。

■キーワードは「Q」と「0」だ

 まずは準備から。キーワードは「Q(級)」と「0(ゼロ)」で、行数が正確にピタリと収まるテキストボックスを作るためには、これがツボ。

(1)文字の単位は級を使用する

 文字の単位は「ポイント」ではなく「級」を使用する。印刷業界がほとんど級数だからということもあるが、それ以上に1級が0.25mmというのは計算が楽という強みがある。たとえば14級の文字なら3.5mmだし、20級の行送り値なら5mmになる。暗算でも十分対応できるのだ。
 これがポイント指定だと、1ポイントは0.353mmだからこうはいかない。しかも、QuarkXPressは級数が使えるアプリケーションなのだから、これを使わない手はない。
 設定はファイルメニューの「環境設定」→「日本語」で単位に「Q」を選択する(図)。

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(2)ボックスとテキストとの間隔を「0」にする

 テキストボックスの設定ウインドウで「テキストとの間隔」を「0Q」にする(図)。これで、テキストボックスの中に文字がピッタリ収まるようになる。“あそび”はまったくない。

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(3)回り込み値を「0」にする

 私は画像ボックスを“枠あけ”としても活用している。まず、画像ボックスでスペースを確保し、その上に見出しや画像のボックスを重ねるわけだ。何も入らないアイテムができることになるが、画像サイズや位置を訂正する場合にテキストとの関係を気にしなくてよいから、楽なのだ。
 そのため、四角形の画像ボックスの回り込み値も「0Q」にしておく(図)。場合によっては、テキストボックスの回り込み値も同様にしたい。

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※(1)と(2)は、ファイルメニューの「環境設定」→「ツール」で設定する。ツールパレットから該当するツールをダブルクリックしても同じウインドウが開く。ボックスを作っていちいち設定するより、ツールで設定しておけば、以後その設定が適用されるので楽だ。


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