[QuarkXPress奮戦記 vol.1]

縦書き多段組み編集の行揃え(2)

■テキストボックスとマスターガイドの作成

 編集の作業に入る場合、まず最初にテキストボックスを、必要な行数がピタリと収まる大きさに設定したい。これをマスターページで作ってマスターガイドにしてしまうわけだ。
 サンプルでは、A5判サイズのドキュメントに、14級(3.5mm)の文字で24行、3段組みを想定してみた。行送り値は20Q(5mm)とした。メインの行送りに「自動」や「+」は使わない方が無難だ。
 気をつけたいのは、行送り値の5mm×24行がボックスの幅ではないということ。最後の行には行間のスペースが含まれないので、5mm×23行+3.5mm(文字サイズ)が正解だ。
 つまり次のような公式にあてはめればよい。これを覚えておくと、いろいろと応用がきくから便利だ。

テキストボックスの幅=行送り値×(行数−1)+文字サイズ

サンプル

 サンプルの場合は、5×(24−1)+3.5=118.5mmとなる。これをマスターページのページメニューで「マスターガイド」を使って設定する。これはマージン(余白)を設定するシステムだから、ドキュメントのサイズから逆算して左右(見開きの場合は内側、外側)の数値を入力すればよい。
 さて、こうして作ったテキストボックスに実際にテキストを流し込んでみると、時として収まらないことがある。原因はよくわからない。

※こんな時は、テキストボックスのサイズを0.01mm程広げることで解決する。
 少なくとも、ここまでをマスターページで行っておきたいところだ。特に「マスターガイド」は重要な役割を果たすので、しっかり作っておきたい。テキストボックスは、組版する紙面によってはない方が楽な場合もある。
※QuarkXPressは基本の単位にポイントを使っているので、ミリで計算すると、ごくわずかだが(たぶん0.001mm未満)誤差が出る。上記は、ポイントで計算した場合の小数点第4位以下の丸め処理との誤差が原因だ。ミリで計算して収まらない場合は0.001mm追加するか、または単位にQを使えば正確なテキストボックスを作ることができる。(98.3追記)
※0.001mm追加でなく0.0001mmでも収まることがその後明らかになった。0.0001mmの場合は五捨六入によってきれいな数値で表示されるので、ボックスの操作もやりやすく、より便利。また、メジャーパレットで計算してボックスを作ることで、こうした微調整が不要になるケースが多い。連載の後半ではこうした内容で扱っているが、ここにも追記しておきたい。(99.10追記)

■画像ボックスを枠あけに利用する

 サンプルでは最上段に、右側のマスターガイドから6行分(30mm)の画像ボックスを貼り込んだ。アバウトにボックスを作ってメジャーパレットで幅を30mmにし、右端をマスターガイドに揃えればいいのだから、簡単な作業だ。
 テキストボックスとテキストとの間隔が「0」で、貼り込んだ画像ボックスの回り込み値も「0」だから、これでピッタリ6行分のスペースが空き、下の段の行とピタリと揃っている。
 こうして、ベースのテキストボックス(マスターガイド)をしっかり作っておけば、もう右側のスペースは全然こわくない。あとはこれを応用するだけだ。

サンプル

※サンプルの場合は3段コラムのテキストボックスを使っているが、マスターガイドにそって1段ずつコラムを作って連結してもよい。この場合は、テキストボックスそのものを必要な行数分だけ狭くすることで同じことができる。何も入らないアイテムが少なくてすむ。
 私は、比較的単調なページものでは段組みコラムのテキストボックスを、複雑な編集のページでは1段ずつのテキストボックスを使用している。


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