[QuarkXPress奮戦記 vol.21]

ポイントか級数か(4)

■ラインと行送り

ラインと行送り

 もう一つメリットを紹介すると、作表が楽になるという点だ。
 右図は「vol.3 表組みのテクニックあれこれ――方法2/セルを縦抜きにしたテキストボックスをつくる」に掲載したものだが、縦抜きにしたテキストボックス内の行配置と、表のラインの関係が実にとりやすい。

 詳しくはvol.3全体を参照していただきたいが、図のような表とボックスの関係の時、文字をセルの上下中央に置くのはラインの間隔(セルの高さ)と行送り値を同じにすればOKだ。
 このとき、セルの高さをできるだけミリ単位の単純な値にすれば、よりやりやすくなる。図のように10mm間隔3行であれば、中のテキストボックスの高さは30mm、行送りは40Qということになる。とても作りやすいのだ。
 もちろんラインの方は、テキストボックスのようにパレットで計算させる必要はなく、そのまま電卓なり暗算で計算した数値を入力すれば何も問題ない。パレットで計算するのは、文字とボックスの関係から必要なだけだ。
 これは文字の単位がポイントであっても考え方は同じで、たとえば30ポイントの高さであれば、ラインを30pt下に複製すればよいわけだし、行送りも30ptにすればまったく同じことだ。ラインの長さも「pt」と単位入力して指定すればよい。
 しかし級数・ミリだと、「pt」とわざわざ単位を入力しなくてよいこと、出来上がった表のサイズがわかりやすい数値である点に扱いやすさがある。ただでさえうっとおしい作表だから、私にとっては級数を使う方が精神衛生上によいのだ。
 またたとえば、版面に合わせて表を作るとしよう。級数を使っている場合のサイズは必ず0.25mm刻みのサイズになる。すると、版面いっぱいにテキストボックスを作った時、タブの設定値を計算するのもかなり楽になる。計算しやすくするには、できるだけ単純な数値にした方が楽なのは言うまでもないだろう。

 このほか、とにかく計算がしやすいから、単位系を統一することによるメリットはいたるところに現れる。少なくともテキスト中心の組版では、ある時はミリで、ある時はポイントでと異なる単位で計算するより、全て同じ単位を使うことが作業効率を高めることにつながると思うのだが、いかがなものだろうか。

(記/1998.11)

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