[QuarkXPress奮戦記 vol.22]

「標準emスペース」の話(2)

■「em」を文字サイズにする機能

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「QuarkXPress3.3日本語版新機能マニュアル」によると、「標準emスペース」は次のように解説されている(24ページ)。

QuarkXPressでは、フォントのゼロ2つ(00)分のスペースを1emスペースとして定義していますが、標準emスペースチェックボックスをオンにすることにより、ゼロ2つ分ではなくテキストのポイントサイズと同じサイズがemスペースとなり、トラッキングやカーニングの際の計算基礎として使われます。標準emスペースは「文字環境設定」ダイアログボックスで指定できます。
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 これはようするに、「標準emスペース」のチェックをオンにすれば、emスペースはフォントの全角幅になるということだ。トラッキングやカーニングで「200」と指定すれば、フォントの種類にかかわらず全角空けができるし、もちろん「100」なら半角空けになるということを意味している。
 そこでさっそくチェックONにしてみた(右のサンプル)。はたして、その通りになるではないか。もう、なんてこった! こんなに簡単だったんだ、ちくしょう!

 私は、「em」とか「en」をややこしいものとして敬遠し、ようわからんからまあいいや、と「標準emスペース」のチェックボックスはOFFのままにしていたのだ。
 で、QuarkXPressの場合は「m」ではなくて「00」だという。確かに、明朝系フォントの「0」はほぼ半角のサイズだが、ゴシック系では「0」のサイズはやや大きい。新ゴなんて、半角(正確には1バイト文字)の方が全角(2バイト文字)よりはるかに太いし、詰める時も思惑以上にずいぶん詰まるのでいつも疑問に思っていたが、なるほどこういう事情だったのか。長年の疑問がやっと氷解した。

 結局「標準emスペース」とは、簡単に言えば「em」を文字サイズにする機能だったのだ。これを使わない手はない。それにしても、やっぱりマニュアルは読むものだ。
 なお「標準emスペース」関してはバージョン4.0Jでも全く同じであることを確認した。

(記/1998.12)

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