[QuarkXPress奮戦記 vol.2]

文字組みをバッチリ決めたい(3)

■トラッキングを使って文字詰めをしたら

 さて、もっと文字を詰めたいという場合はどうか。
 下のサンプルは、前と同じテキストボックスを使ってトラッキングを「-10」にしたもの。最終行に注目していただきたい。最終行は詰まっているが、他の行はジャスティファイが効いているので何の変化もない。その結果、最終行だけが他の行とズレている。これは、ちまたに出回っている雑誌でもよく見かける。

サンプル

 トラッキングが有効になるのは、サンプルでは「-17」になる。つまりジャスティファイが効いている部分は「-16」までは変化せず、「-17」になってはじめて動く。そしてこの時にピタリと揃うのだ。もちろんこの数値はボックスのサイズ、文字サイズによって違う。あしからず。

サンプル

 したがって、トラッキングを使用する場合は、最初に指定したトラッキング値でテキストがピタリと収まるようにボックスをつくる必要がある。トラッキングが入ると、文字サイズ(文字送り)を計算するのはとてもややこしいので、アバウトにボックスを作って、実際にトラッキングを試しながら決定することになる。しかし、切り壊しなどが入ってくると、ピタリと揃えるのはなかなかやっかいだ。
 組版の現場では、ジャスティファイを使用することがほとんどだと思う。トラッキングで詰めたつもりが、実際には効果を発揮せず、私がやっているトラッキング「0」の方がよほど詰まって見えるという場合もよくある。


<<BACKNEXT>>

][