マスターページを使いこなしたい(5)
■テキストはできるだけ分割すべし
書籍の場合、当然だがテキストは長い。これを1本のデータとして流し込むのは避けたいところだ。
たとえば、1字加えることによって1行増える。そのことによってそれ以降の全ページに影響がでるわけで、最後まで再チェックしていかなければならなくなる。これは面倒。場合によってはリロードに時間がかかることもある。
だから、章や節などを単位として、適当な量に分割する。そしてテキストの切れ目が連結の切れ目という組み方をするわけだ。そうすると、影響はその範囲内ですむ。
さらに、たとえばテキスト挿入などでページが追加されても、左右のページ変更をその範囲内で納めることも可能だ。
うまく見開きで終わっている場合は、ページが追加されても、さしあたりはそれ以後のページには影響しないことが多い(図左、縦組みパターン)。例では8ページが追加されたページだ。
もっともこの例では、この後に8ページのとなりをどうするかについて、じっくり検討する必要がある(アハハ……汗)。
そうでない場合は、あらかじめレイアウトパレットを操作して、影響がでないようにしておく(図右、同)。あらかじめ8ページのとなりのページを下げたのち、空白マスターを挿入した。これで8ページのあとに追加ページができてもその後には影響しない。
中扉があるとそこでページの左右が決まるので、白ページなどの追加により影響をそこで吸収すればなんとかなるものだ。
ところで私は、初校が組めたあとは環境設定の「自動ページ挿入」を「オフ」にしている。こうすれば、校正でテキストが追加されたり、その他思わぬリロードでいつの間にかページが追加されてしまっていた、ということはなくなる。ページが増える場合は手動で追加し、テキストボックスをこれまた手動で連結するというわけだ。
■ページ挿入がうまくいかない?
私も最初とまどったし、よく質問されることに、「ページ挿入がうまくできない」ということがある。
連結されたページの間に新たなページを追加しても、そのページは連結されない。テキストはそのページを飛ばして続いている。よく考えたら当然なんだけど、勝手が違うというわけだ。
だから、ページを挿入するのではなく、テキストそのものを該当する箇所に挿入するのが正解。挿入したところ以降のテキストがリロードされて、最後に必要なページが追加される。
■マスターページで直したのに、なぜドキュメントで直らない?
マスターページで直したはずだし、そのアイテムは変更していないからドキュメント上でも自動的に直っていないといけないのに、直らないことがある。これで訂正もれになったことは少なくない。
よく見ると、直っていないのは見開きで違うマスターページを使っているところ。見開きマスターを使っている場合は、見開きでセットなのだろう。だから、たとえば左ページに「A」というマスターを、右ページに「B」というマスターを使っている場合などは要注意だ。
(記/1997.3)
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