マスターページを使いこなしたい(4)
■見開きマスターはいいけれど、左右のページ変更は困る
マスターページには、シングルマスターと見開きマスターがある。右図のレイアウトパレットで、角が折れているのが見開きマスターだ。
シングルマスターはポスターやチラシなどの1枚ものに、ページものには見開きマスターを使うのが一般的だと思う。
ページものでは、版面をページの中央から内側または外側にオフセットすることがよくある。中綴じでは内側に、平綴じでは外側にオフセットするのが一般的だろう。
見開きマスターは、版面がオフセットされている場合にとても威力を発揮する。ページ挿入などで左右が入れ替わっても、ちゃんと正しく左右のマスターページが適用されるのだ。ノンブルも左右が入れ替わるし、版面のオフセットもきちんと変わっている。これは楽だ。
シングルマスターでページ組をすると、左右のマスターページをそれぞれ作らねばならないし、左右が入れ替わればいちいちマスターページの再適用をしなければならないなど無駄な作業が多い。
ところが、この便利な見開きマスターも困ることがある。ドキュメント上で追加したアイテムは、左右が入れ替わってもそのままの位置なのだ。つまり、連結されたテキストボックスに入っている本文は正しい位置にあるのに、あとから加えた写真や図、テキストはズレている、ということがおこる。これがうっとおしいのだ、実に。仕方がないから、追加したアイテムをいちいち移動したということは数知れない。
そこでこの頃やっているのはまず、ページ移動をしないということ。多段組タイプの広報紙や機関紙は、比較的ページ内や見開きで完結するパターンも多いので、なんとかなる場合も多い。
それから、できるだけ版面をセンターにセットするようにしている。これも広報紙や機関紙などではそれほど問題はない。この場合は、ページの左右が移動しようが何の問題もない。
ところが、書籍の場合はどうしても綴じの関係でノドを広くする必要があり、版面のオフセットが必要な場合が多い。この場合は、ある程度泣かざるをえない。クソッ!
細かい作業も惜しんではいけないというところかもしれないが、影響を最小限にとどめる方法はないでもない。これについては次項を参照してほしい。
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