段落書式とスタイルシート(2)
■「第1行インデント」を使う
段落の第1行目の字下げに、私はもっぱら「段落書式」の「第1行インデント」を使っている。別にスペースを入れても何の問題もないが、これを使う主な理由はデータ入稿された原稿のトラブルを避けるためだ。
というのは、データ入稿される原稿のほとんどはスペースで字下げされているのだが、それが全角スペースであるとは限らないのだ。半角スペースが二つ入っていたり、OSの違いによるコントロールコードが入っていたりと、実にさまざまだ。しかもQuarkXPressの半角はようするに英数モードのスペースだから、二つで日本語全角サイズにはならない。だから字下げがずれるということがよくある。
ついでに、2行目以降の字下げにもスペースが補ってあったりするから、そのままテキストボックスに流し込んだらいたるところにスペースが出現してやっかいなことこの上ない。
これをいちいちチェックするのは手間なので、私は基本的に原稿段階でスペースを削除してしまう。もちろん、文中に意図的におかれたものなど削除してはいけないスペースもあるので注意は必要だ。しかしこうした上で「第1行インデント」に文字サイズを指定(上は14Qの例)すれば、改行によって自動的に字下げができるのでとっても楽なのだ。
また、これによって続いているハズのテキストが改行されていたりというトラブルも比較的早く発見できる。
さらに、たとえば右図のようなスタイルも下図のような段落書式で簡単にできる(文字サイズ14Qの場合)し、いろいろと応用できる。この場合、2行目をスペースで字下げしていると、校正で挿入や削除があった場合に面倒なのだ。
この「インデント」は、いわゆるべた組の場合に特に有効だ。文字詰めをする場合にはインデントサイズが微妙に変わってくるからあまりお勧めしない。そんな場合は私も第1行目をスペースで字下げしているが、そうなると今度はうっかり下げ忘れということがよくあったものだ。
ところで、ライターの仕事で、私は自分がするように字下げのない原稿データを送ったら、そのままの状態で組版されてしまったことがあった。この方法は少数派なんだろうか……。
■「行送り」は指定値がよい
「段落書式」の「行送り」を「自動」にしていると、QuarkXPressは環境設定で指定された「行送りの自動設定」の設定値を使用する。これは文字サイズを基準にしてパーセント指定されたものだから、当然文字の大きさによって行間に違いが生じてくる。
私はもっぱら、「24Q」とか「+3Q」など数値で指定している。「+」をつけるものは文字どおりの行間だし、ないものは行末と次の行末との間隔だ。こうした方が、行揃えに楽チンだと思う。
これは「ノーマル」で設定しておいてもよいし、別にベースとなるスタイルを作ってもよいだろう。
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