数式との格闘(5)
■上付き文字と下付き文字
2乗などの上付き文字について、QuarkXPressには「上付き文字」と「肩文字」があり、ほとんど同じ働きをする。
下のサンプルはその二つを並べてみたものだが、違いはオフセット量のようだったので、数字でも英字でも適当と思われた「肩文字」を使った。
ところが項数などを表すものとして使用されていた下付き文字は、デフォルトだと下のサンプル上のように下に下がりすぎてしまう。下のラインを揃えたかったので、私はその場合だけフォントサイズを半分にするという、実に手間な作業をしてしまった。
あとで気がついてとても後悔したのだが、この「上付き文字」「下付き文字」は環境設定→文字で、オフセット量を制御できるのだ。そこで「下付き文字」のオフセット量を0%にした場合をその下に示した。こうすれば、ワンクリックの作業で私がやりたかったようにできたわけだ。
すでに作業がずいぶん進んだ段階での“発見”だったのでやり直すのは面倒。結局そのまま作業を続けたのだった。考えてみたら、ここの設定値については、これまで変更したことがなかった。
右はその文字環境設定の該当部分で、「下付き文字」のオフセット量を「0%」にしたもの。デフォルトは「上付き文字」と同じ「33%」だ。ここで見る限りでは「上付き文字」と「肩文字」の違いは、どうやらオフセット量を制御できるかどうかの違いのように思われる。
もちろんこれはドキュメント全体に影響するので、どんなケースがあるかをあらかじめよく検討してから作業にかかるのがいいだろう。また、設定値の違うドキュメントにコピーするとずれの原因にもなるので、注意は必要だ。
サンプルの中でお気づきかもしれないが、たとえば分数を囲む括弧でも2倍括弧にしていないなど、数式としては不十分な部分も少なくない。故にここに紹介した方法が決してベストとは限らないことを重ねて強調しておきたい。
この他にも積分のインテグラル記号や、その他初めてお目にかかる記号にも遭遇して貴重な体験だったが、今後のためにも、より扱いやすい数式の方法があればぜひ教えていただきたいところだ。
なお、すべてをQuarkXPress上で処理しているわけではなく、ケースによってはIlustratorも併用し、作成した数式を貼り込んだ。このあたりはケースバイケースだろう。
(記/1999.7)
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