「プリンタフォントの有無」を考える(3)
■プリンタフォントが正しく反映されてないと問題が起こる
QuarkXPressが直接ラスタライズするフォントを決めるための「プリンタフォントの有無」なのだから、実際と異なった情報が登録されていれば、当然ながら問題が起こる。
実際と異なるのは、ひとつは手動で有無を変更した場合。3.3なら「有」なり「無」をダブルクリックすることで相互に入れ換えることができるし、4.0では「ポストスクリプト印刷」のポップアップメニューでオン・オフを選択できる。
もうひとつは、先にも書いた新たにフォントをダウンロードした場合で、その後「検索」も手動切り替えもしていないケースだ。もちろんアプリケーションをインストールした後一度も「検索」していなければ、実際と異なることになる。
そこで、登録されたプリンタフォントの有無と実際との関係が、どのようにプリントに影響するかを検証してみた。結果は次の通り。(注)
プリンタフォント | ATMフォント | 有無チェック | プリント結果 |
○ | × | 有 | 正常(プリンタフォント) |
○ | × | 無 | ビットマップ |
○ | ○ | 有 | 正常(プリンタフォント) |
○ | ○ | 無 | 正常(ATMフォント) |
× | ○ | 有 | 文字化け |
× | ○ | 無 | 正常(ATMフォント) |
× | × | 有 | 文字化け |
× | × | 無 | ビットマップ |
バージョン4.0の場合は、「プリンタ上」と「ポストスクリプト印刷」の二つのチェック欄があるが、上の表とは次のように対応する。
プリンタフォント欄→プリンタ上欄
有無チェック欄→ポストスクリプト印刷欄
ただし、4.0の「プリンタ上」欄はプリンタを検索しないとチェックがつかないため、実際と情報が異なることがありうる。必ず検索することが重要だ。
さて、完全に文字化けするのは、プリンタフォントがないのに「プリンタフォントの有無」で「有」とされている場合。この時QuarkXPressはラスタライズせずにフォントデータを送るが、プリンタにフォントがないからそのままではプリントしようがない、というわけだ。
実はこの点でもバージョン4.0では親切で、警告が表示される。下の警告は4.0デモ版で、プリンタ上にないフォントの「ポストスクリプト印刷」をONにした時(3.3までの「有」に該当)に表示された。先に「Printer Fonts」を外した状態でプリントした時の文字化けや上記の検証での文字化けも、おそらくこれと同じで、日本語フォントがCourierに置き換わったために文字化けしたように見えたのだと思われる。代用フォントが欧文フォントなら、正常にプリントされないのは当然だ。
プリントがおかしい時はまず「プリンタフォントの有無」を疑って「検索」をしてみるといいだろう。原因がこの設定であれば「検索」するだけで正常になるはずだ。
しかし、「プリンタフォントの有無」の情報が正常であっても、そのために問題が起きるケースがある。
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