[QuarkXPress奮戦記 vol.26]

「プリンタフォントの有無」を考える(5)

 最後に、QuarkXpressドキュメントをPDFファイルにする場合の効果を考えてみた。

■PDFでATMフォントをきれいにプリントする

 先にもふれているが、QuarkXpressのラスタライズは実は下手くそだ。そのためATMフォントしかないフォントは、文字がパラついたり逆に重なったりするなど問題がある。校正ゲラ程度であればまだなんとか使えるものの、たとえば紙版として最終データにするとなると、かなり辛い。
 しかし、QuarkXpressがラスタライズしないよう「プリンタフォントの有無」を無効にしてPDFにすることによって、きれいにプリントすることが可能になる。やや手間ではあるが、QuarkXPressのATMフォントプリントに不満のある場合には有効だろう。

■あえてラスタ画像でフォントイメージを保つ

 また、「プリンタフォントの有無」を有効にした状態でフォントをラスタライズしてつくったPDFファイルは、使い道がないかというと、そうでもない。
 まず、画像なのだからマシン環境が変わっても、オリジナルのフォントイメージでの表示とプリントが可能だ。もちろんWinであろうがMacであろうが、Acrobat Readerさえあればよいことになる。
 表示イメージは先のサンプルのように難があるが、一応きちんとラスタライズされた情報なので、プリントはほとんど遜色ないレベルだ。
 問題は、QuarkXpressの「下手くそ」なラスタライズがそのまま反映されること、画像なのでデータが重くなることだろう。Acrobat4.0でフォント埋め込みが可能になったが、埋め込み可能なフォントを揃えることができないなどの場合には、これでも有効ではないだろうか。
 なおこの場合、「プリンタフォントの有無」が「有」のフォントはラスタライズされないから、一時的に「無」にするか、ATMフォントのみのフォントを使う必要がある。

(記/1999.10)

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