別れのレイトニック

　僕が勝手にカクテルに名前をつけた「レイトニック」のバーが、東京に進出することになったので店を閉めるという。以前撮った写真がいまひとつだったので、いつか撮り直したいと思っていたが、そんなことなら行かねばなるまい、と先日行ってきた。

「寿ですか？」
「みなさんそう言わはるんですけどね、違うんですよ、それが」

　僕の問いに、店長の女性バーテンダーはそう言って笑った。実は当初は彼女だけが行くのかと思っていたが、店ごと、スタッフ全員で行くのだと聞いて驚いた。いい話のようだ。
　いただいた名刺によれば、新しい店は世田谷の二子玉川駅に近い和風のバーだという。「東京にいらしたらぜひ」と言われても、東京はすっかり遠のいてしまった。

　で、これがひとまず飲み納めのレイトニック。「ひとまず」というのは、東京に行くか、あるいは将来また店が京都に戻ってきたら飲めるかもしれないから。
　お客が多くてストロボはためらわれたので、携帯のライトで撮った。それでも1/1.3秒なので、もちろん手ぶれしているが、前回よりははるかにマシになった。

（記：2004/12/16）