[えでぃっとはうすのときど記]

麹の香り?

 先日お酒エッセー「蔵纏」で「クセのある」香りについて云々したが、たまたまお酒好きの人のサイトを読んでいて、もしかしたらこれは麹の香りではないかと気がついた。まだ確証はないものの、そうだとすれば文中で紹介した「カビのような香り」という知人の感想は、表現はさておき、まさに的を射ていたわけだ。

 ひとつ思い当たる節がある。
 実は取材で何度か酒蔵を訪ねたことがあるが、その機会に麹室に入らせていただいたことも何度かある。頼んだわけではないが、「外部の人にはあまり見せないけど」と言いながらだったり、逆に「ここを見てもらわんと、わかってもらえへんから」と積極的に見せていただいたこともあった。
 ところが悲しいかな僕には、保温された室内に入って麹菌がまかれた蒸米が台に広げられているのを見ても、その光景以外に「何か」を感じることはなかった。白状すればむしろ、何をわかればいいのだろうかと疑問だった。しかしそれも、自分の中ではあまり問題にしていなかった。

 もしかしたらそれは、香りだったのだろうか。できあがったお酒のなかにこの香りを感じてほしい、ということだったとしたら、なるほど麹室に入らねばわからない。
 ただ実際、そこで強く香りを感じた記憶がない。また香りの元は酵母の方ではないかと思っていた。それはそれで両方のハーモニーなのだろうが、いずれにせよ、これまで麹の香りということをあまり意識していなかったのは事実だ。

 だから、いつかまた麹室を見せていただける機会があれば、今度は香りに注意しようと思う。あの香りの正体に近づけるかもしれないと思うと楽しみだ。

※月曜日に給湯が、火曜日にお風呂がそれぞれ復活した。ついでに台所や洗面の水栓も付け替えて、工事が今日完了。給湯管破裂騒動が一件落着した。栓をひねればお湯が出るってものすごくありがたい、と実感した1週間だった。

(記:2006/01/19)



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