[えでぃっとはうすのときど記]

米麹を香ったが……

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 思いがけず、念願の麹の香りをかぐ機会がやってきた。今月もでかけた油長さん企画の酒蔵見学で訪ねた北川本家でのことだった。

 最初の酒造りの解説のとき、参考に米や酵母など原材料の実物サンプルがまわってきたのだ。そのなかに米麹があった。
 小さなトレーに乗ってやってきた米麹は、米のまわりを麹菌が覆い尽くして真っ白だ。かけてあったラップをめくって香りをかいでみた。
 しかし、何も香らなかった。ということは、香りはないのだろうか……。

 その後の蔵見学のとき、麹室にも立ち寄ったが、実際に麹づくりをしている場面ではなかった。もちろん、そういう状況を多人数の見学者に見せるとも思えないけれども。
 そこで、案内の人に聞いてみた。
「さっき見せていただいた麹は何も香りがしなかったのですが、麹に香りはないのですか?」
「ありますよ。食べてみてください」
 え、食べてもよかったん? もっとはよ言うて……。

 まあ仕方がないとあきらめたが、見学後の油長さんでの懇談会で、せっかくなので今度は専務さんに聞いてみた。
「あれはもう乾燥していたからです。実際にはクリのような香りがしますよ」
 なんだ、そうだったのか。ならばますます仕方がないわけだ。次の機会に期待しようと思う。

 写真は北川本家乾蔵の玄関に置かれている巨大な釜。

(記:2006/12/17)



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