MacOS8.6とフォントの問題
―OCFビットマップフォントの縦組みとATOK11でのビブロス外字の文字化け―
先日、メインマシンのOSをMacOS8.6にアップした。
どうやら「MacOS8.5対応」と銘打たれたG3カードは私のOS8.1とは相性が悪かったようで、前回はラムチャージャーやスピードダブラーと衝突したようだと書いたが、後にはその二つがなくてもトラブルが起こるようになった。なんとかだましだまし使ってきたが、ここにきて「アドレスエラー」が頻発して起動しなくなった。そこで思い切って、先日買っておいたOS8.5と40分かけてダウンロードした8.6アップデータで、一気に8.6マシンへとアップしたという次第。
すると、それまでのエラーがウソのように安定した。アプリケーションとの関係などの検証はまだこれからだが、現在のところQuarkXPress3.3、Illustrator5.0、同8.0など、動きそのものには問題がないようだ。こんなことならもう少し早くアップすればよかったと思ったくらいだ。
しかしフォント関係で問題が出た。フォントについてはOS8.5から仕組みが変わったので、もとより不安があったところだが、全体としては思ったほどのことはなかった。これまでに対応が進んだからだと思われる。今のところ、私の環境では以下の二つが問題だ。■OCFビットマップフォントの縦組みの文字化け
まずひとつは、OCFビットマップフォント環境での縦組みの問題だ。
私のところではフォントはまだOCFだ。それでもATMフォントがインストールされていれば全く問題はない(下のサンプル左)。ところがビットマップフォントだけだと、プリントに影響はないものの、縦組みで句読点やカッコなどの約物が文字化けして表示される(下のサンプル中)。
これらのことは、モリサワの「Mac OS8.6でのフォント環境検証のお知らせ」やアドビの「『Mac OS 8.6 』日本語版対応状況」でもアナウンスされている。症状は確認できるものの、回避策は結局ATMフォントを使うかCIDフォントにアップデートする道しかないようで、弱小SOHOとしてはややつらいところだ。
しかし、段落全体をビブロス外字フォントで指定すると、サンプル右のように正常に表示された。
ATMフォントでは問題なし
ビットマップでは約物が文字化け
(リュウミンR)
全体をビブロス外字にすると正常に
(ビブロス明朝R)ビットマップ表示でもMacOS8.1以前だと、丸漢ファイルによってそれなりの形に表示されたが、8.5以降では拡大すると思いっきりガタガタのビットマップだ。起動時にビットマップフォントが「フォントアップデータ機能拡張」によって変換されることによるものらしい。
仕方がないが、ガタガタでも文字化けよりはましだから、しばらくはビブロス外字フォントで指定しようかと考えている。もっとも、こうすることで外字指定漏れは減るかもしれない(笑)。■ATOK11の入力・変換ウインドウでのビブロス外字の文字化け
もうひとつの問題は、単語登録したビブロス外字が入力時に文字化けする問題。インライン変換でも入力ウインドウでも起こる。
これについては、DTPセンタービブロスの「MacOS 8.5/8.6で,外字を入力/変換パレットに表示させるには…」に回避方法が紹介されている。ATOK12やEGBRIDGE9、同10では候補パレットのフォントを指定できるのでそれで回避できるそうだが、ATOK8や同11では候補パレットがシステムフォントに依存するために文字化けするとのこと。
試しにやってみたが、ATOK11でも下のように、入力ウインドウで外字フォントを指定すれば、候補パレットは文字化けしていてもウインドウ内では正常に表示されるのでなんとかはなりそうだ。
インライン変換の場合は、フォントにビブロス外字を指定しておくことで回避できる。また、文字パレットでも外字フォントの指定により外字は表示される。
「みぎや」と入力したが、まったく文字化け。右端の▼でフォントを変更する。
↓
フォントを、どれでもよいからビブロス外字にする
↓
同音語パレットは文字化けしているが、入力ウインドウでは正しく表示される。何にして、バージョンをアップしていくと、それにつれて新しいものを買いそろえていかねばならないようで、いろいろと物入りになりそうだ。
(記/1999.8.21)
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