G3カードとスピードダブラーとラムチャージャー(その2)
夜中の12時頃にクラッシュした8500のシステム入れ替え作業は、トラブル続きで、結局次の日の夜中の12時くらいまでかかってしまった。24時間ほとんどMacの前で作業を続けていたし、その前からと合わせると、なんと40時間くらい起きていたことになってしまった。しかも、それでも完全には復活せず、疲れて寝たのだった。
■二つの症状が頻発
朝食後の作業は、システムインストールとともに、ほとんどの機能拡張関係のファイルをディスクあるいはストックしておいたファイルからインストーラを使ってインストールしたので、実に時間がかかった。なかにはずいぶん前のものもあるのでディスクを探す必要があったし、途中で不具合にぶつかって「あ、あれも入れなきゃ」と思い出したり、という作業だったからだ。
なのに、実は結果的にはあまり効果がなかったのだ。主として二つの症状が頻発した。ひとつはシステムファイルの破損。これは前回も書いたが、ちょっとしたエラーですぐにシステムファイルがダメージを受けて、再起動しても立ち上がらなくなってしまうのだ。幸いというかこの場合、パーティションを切ったもう片方の最小限システムに切り替わって立ち上がるので、一応はG3環境で作業を進めることはできるのだが、Macの前でつぶやく「またや……」を何度もらしたことだろう。
この場合、ディスクの損傷も併発するのだが、これはディスクファーストエイドでチェック・修復できる。しかし、システムファイルは修復できず、こうなったら再インストールしかなくなってしまう。ガックリだ。
何度も起こるので、面倒になってシステムファイルだけ入れ替えたりもしてみたが、システムファイルにもいろんな情報が書き込まれるようで、やっぱりこれではダメだった。もうひとつの症状は、起動時の爆弾。ニコニコMacが出てMacOSの画面になった直後に爆弾が出る。まだ日本語関係のファイルがロードされていない時らしく、文字化けのために内容は不明だ。もっともこのケースは、再起動すると何事もなかったようにまた立ち上がるということが多かった。
一度だけタイミング的によかったのか日本語で表示されたことがあった。「バスエラー」でアピアランス機能拡張がどうのこうのと言う。ならばとアピアランス機能拡張を外してみたが、これは外してはならない機能拡張のようで、さらにエラーを重ねる結果となった。で、この二つの症状が繰り返し現れるわけだ。つまり、インストールを完了する。当初はなんとか落ち着いている。いくつかのソフトで異常がないか試してみる。再起動する。爆弾が出る。再起動する。立ち上がる。なにかのきっかけでエラーが起こる。システムファイルが壊れる。「?」が出て最小限システムに切り替わってしまう。こんな感じが順不同で起こる。おかげで、何度システムインストールを繰り返したのかわからなくなってしまった。
■何かがコンフリクトしている
しかしこれは、何かがコンフリクトしているはずだ。同じことを何度も繰り返しても仕方がない。原因をさぐろうと思ってネットで何かツールがないかと探したら、「コンフリクトキャッチャー」というソフトがあった。
さっそくデモ版をダウンロードして、マニュアルをプリントしていろいろ試してみた。デモ版でも何かきっかけをつかめるかもしれない。この中にファイルの修復機能もあって期待したが、やはりデモ版では修復されなかった。けっこう時間を費やしていろいろ試みたが、残念ながら原因もつきとめるには至らなかった。機能そのものはよさそうなので、お金が出来たら買い求めようかという気になっただけだった。
そんなこんなで、結局この日はとにかく一応は動く状態にしたところまでで、終わった。というより、さすがに40時間も起きていればダウンするのは当たり前だ。
しばらくは、腫れ物にさわるような感じで操作していた。もちろんエラーもおこるし爆弾も出るし、システムも壊れるが、トラブルの起きているものはずいぶん絞られてきたので、カスタムインストールで必要なものさえ入れれば早く立ち直る。あまりに何度もインストールをしたので慣れてしまった。もちろん、G3カードそのものがダメなのか、あるいはOS8.1がダメになってきたのか、などとも考えたが、少なくとも最小限システムはトラブルなく動いている。やはり原因は機能拡張関係のどこかにあるはずだ。というより、せっかく買ったG3カードを外したくないのが本音だった。
■犯人はRAMの近くにいた
実は細かいことはあまりよく覚えていないのだが、現在動いているシステムフォルダを見ると作成日付がこれから10日後になっているから、10日間ほどこうしていたことになる。ふと思い出したのは、Macは起動して最初にRAM関係のファイルにアクセスするという話だった。ずいぶん以前に、ディーラーの営業担当者が教えてくれたことだ。爆弾が起動直後に出ることを考えると、ひょっとすると原因はRAMの近くにあるのかもしれない。
そう考えると、起動して最初に画面下にずらりと表示される機能拡張関係ファイルのなかで、最初に出るのはスピードダブラー関係のものだ。これは怪しい。よく考えたら、G3カードをつければスピードダブラーももう不要だろう。それからラムチャージャーも怪しい。そこで、この二つの外すことにした。念のためもう一度システムをインストールし直す。すると、ずいぶんシステムが安定した。もちろんエラーそのものは何度か起こるが、そのたびにファイルをスキャンしディスクを検証しても、システムファイルは健在だったしディスクも正常だった。
この時は一度に二つを外したのでその後、試しにラムチャージャーだけインストールしてみたが、やはり起動時に爆弾が出た。もちろんすぐに外した。
また、スピードダブラーを外しても、マシンのパフォーマンスの違いはほとんどなかった。思うに、もともと遅いマシンをG3カードでむりやり速度を上げているわけだから、そこにスピードダブラーがあったりすると不都合があるのだろうか。あるいはたまたまG3カードとの相性が悪かったのか。
スピードダブラーもラムチャージャーも、いずれも長い間お世話になったので、これらを悪く言うつもりは毛頭ない。メモリが少ないのでラムチャージャーを外すのは多少残念ではあるが、お金に余裕ができたらRAMの増設を考えることにしょう。かくして、8500はG3となって復活した。以来1か月半以上たつが、重大なトラブルはなくなった。一時は起動時間さえ、G3カードをつけた7100に負けていたが、再び優位を回復した。66MHzから230MHzへとほぼ4倍になった7100に比べれば、120MHzから250MHzというのはインパクトがやや弱かったが、パフォーマンスは確実に向上している。
途中で何度もあきらめかけたが、やっぱりG3カードにこだわってよかった。あきらめないでやればシロートでもある程度はなんとかなるあたり、Macの好きなところだ。
●今回のトラブルの教訓
- G3カード装着マシンは、いつでも関係ファイルをインストールして使うべし
- G3カードとスピードダブラーはコンフリクトすることがある
- G3カードとラムチャージャーはコンフリクトすることがある
(記/1999.6.2)
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