オープンファイル数の限界とFCBカウンター
Macで一度に開けるファイル数に限界があるということを知ったのは、わりと最近のことだった。考えてみれば、限界があるのは当然のことだが、MacOS8.6以前だと、それは348個だという。
しかしこれまで、どれだけのファイルを開いているかなど気にかけたことがなかった。気にしたのはもっぱらメモリの方で、あまり多くを実装していないこともあって、どれだけ使用しているかを常に気にしていたものだ。
ファイル数を気にするようになったのは、Illustratorを8.0にアップして以降だと思う。ときどき原因がよくわからないエラーに遭遇したのでネットで情報を探したら、どうやらこのファイル数が関係していそうだとわかってきた。
それらネット情報の中に「FCBカウンター」というツールの紹介があった。同時に開いているファイルをカウントして表示するもので、「D-Works ANNEX-2」というサイトの「Program Works」コーナーにあり、さっそくダウンロードして試してみた。作者によれば「すべてテスト公開」とされているが、いまのところ特に問題は起こっていない。付属しているPDFファイルの解説書も勉強になる。上の画像は、PowerMac8500/G3-250Mhz、MacOS8.6、フォントをガバガバとシステムのフォントフォルダに入れているという私の環境で、いくつかのアプリケーションを起動した時に開くファイル数をFCBカウンターがカウントした推移だ。グラフ部分を拡大すると以下の通りで、数字がファイル数を示している。
フォントをシステムで管理しているとシステム起動時にそれらのファイルも開くそうで、私の環境では212個のファイルが開いている。フォント管理ユーティリティを使用してフォントをシステム外で管理すればよいと言われるのは、フォントフォルダに入るフォント数の限界が128個まで(MacOS8.6以前)ということばかりでなく、このあたりにも関係しているようだ。
強烈なのはIllustrator8.0.1で、起動時にさまざまなプラグインファイルなどを読み込むらしく、約90個のファイルを開いているのがわかる。そして起動後は、その半分以上が閉じられて30〜40個くらいに落ち着く。これには驚いた。しかも、終了する際にも新たにいくつかのファイルを開いているようだ。
こういう状況を目の当たりにすると、いくつかのアプリケーションソフトを使用している状況でIllustrator8.0.1を起動すれば、たちまち348の限界をオーバーしてしまうことが納得できる。もちろん組み合わせによっては、どのアプリケーションソフトでも起こりうることだ。
そして348をオーバーすると、正常に起動しなかったり、ファイルが開けなかったり、プリントができなかったりといろいろなエラーが起きる。なるほど、それまでのエラーはやはりこのためだったかと納得した次第。
以来私は、このツールを表示して開いているファイル数を監視しながら作業するようになった。ウインドウは右のように小さくもできるので、モニタの隅にでも表示しておけばさほどじゃまにもならない。
なおMacOS9で、このファイル数の限界が大幅に拡張され、同時に8169個までOKだという。さらに、フォントも同時に512個まで扱えるという。アプリケーションが扱うファイルが多くなってきているなかで、当然の流れというべきだろうか。なので私も、できればOS9にアップしたいと思ってはいるのだが……。(記/2000.6.4)
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