[QuarkXPress奮戦記 vol.4]

マスターページを使いこなしたい(3)

■テキストボックスの有無はなぜ?

 書籍はほとんどが1段組か2段組だし、途中に図や写真が入る程度で基本的には同じパターンの文字組みが続く。1段組みも2段組みもひとつのテキストボックスですむし、図や写真は基本的に画像ボックスを貼り付けるわけだから、マスターページで作成したテキストボックスをドキュメント上で変更する必要はない。だからマスターページでテキストボックスを作ることに何の問題もない。

 これに対して多段組み編集の場合は、ページによってレイアウトが違う。
 私は当初、多段組タイプでもページ全体のテキストボックスをマスターページで作っていた。長い記事の場合はいいのだけれど、短い記事をたくさん配置するようなレイアウトだと、マスターページで作ったテキストボックスの上にいくつものテキストボックスを重ねることになる。いわばアップリケのようなやり方だ。
 しかしこれでは、ページ内がごちゃごちゃしてうっとおしいことが多い。ついマスターページで作ったテキストボックスを変更したくなる。そのうちにぐちゃぐちゃになってしまうこともあった。

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 それなら最初からマスターページにテキストボックスがなければいいではないか。
 というわけで、この頃はマスターガイドだけのマスターページを作るようにしている。ガイドに添って必要なサイズのテキストボックスをドキュメント上でつくり、それを連結していくという方法だ。ドキュメント上でのテキストボックスの配置は、いわばジグソーパズルのようなものになる。

※右図は拙著『ワープロ新聞DTP編集入門』より

 必要な文字詰め、行送りでテキストがきちんと納まるマスターガイドであれば、いちいち計算しなくても、あるいは「字とり行とり」などというXTensionを使わなくても、ガイドにそって簡単に1段分のテキストボックスができる。2段でも3段でも、コラム間隔さえ合わせれば同じこと。
 文字の単位は「Q」にしておこう。そうすればテキストボックスのサイズを変えるのも簡単だ。行送り値や文字サイズをミリに換算して、必要な行数や文字数を掛けて加減すればよい。これらのことは、メジャーパレットで計算できるから便利だ(下図のW欄に注目)。

サンプル

 もっとも書籍タイプでも、たとえば上段が本文で、下段に注釈などが入るという場合は注意が必要だ。多くの場合、注釈は文字サイズも小さいし、文字組みも本文とは違う。つまり本文用のページ連結したテキストボックスとは別にしなければならない。テキストボックスのページ連結はひとつしかできないから、こうなると多段組編集の場合と同じようにごちゃごちゃすることが多い。こうした本文以外のテキストボックスが必要な場合、その部分はガイドだけにしておくのがベターなようだ。


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