変更箇所保持と変更箇所消去(6)
■マスターページとドキュメントページを共に変更すると
下のサンプルはいずれも、ドキュメントページ上で任意のマスターページアイテムを変更した後、マスターページ上で別のアイテムに変更を加えたケースのサンプルだ。実際の編集作業ではこのケースがほとんどだろう。
左の(1)〜(4)はアイテム変更、右の(5)〜(8)ではアイテム削除。「保持」の例と「消去」の例を示しているが、この場合、両者は全く同じであることを確認している。なお、ボックスとラインの違いに意味はなく、テキストボックスの設定は前の例と同じ。
これはつまり、ドキュメントページ上でマスターアイテムに変更を加えても、それ以外の変更しないマスターページアイテムは常にマスターページの変更によって更新されることを示している。その際「保持」と「消去」とにかかわらず、変更を加えたアイテムも維持される。
私はここまできてようやく、渋谷氏が「大差ない」と指摘された意味が理解できた。ドキュメントページで変更したマスターページアイテムを含んでいても、マスターページの変更でちゃんと更新できるし、それは「保持」でも「消去」でも同じなのだから、大差ないということになる。
またここまで読んできて、なぜそんなにドキュメントページ上でのマスターページアイテムの変更にこだわるのかと思われた方も多いと思う。シングルマスター主流の方なら、実際の運用は上の例がほとんどなのだから、それも理解できる。
しかし、なぜこうなっているかといえば簡単で、マスターページを再適用していないからだ。(4)なり(8)のあとに再適用を行えば、ドキュメント上で変更したマスターページアイテムに対して、これまで見てきたことと同じことが起こる。
そこでマニュアルをよく読むと、実は上の例がQuarkXPressにおけるマスターページ運用の原則であることがわかる。
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