[QuarkXPress奮戦記 vol.28]

QuarkXPress4.1とPDF(1)

 私もようやく今年の7月、2本あるQuarkXPressのうちの1本をバージョン4.1にアップし、同じく7月に導入したG4で使うことにした。しかし残念ながら仕事で使う機会にはまだ恵まれない。せっかくアップしたのにもったいないので、とりあえずPDFファイルの作成で活躍してもらおうと考えているところだ。
 そこで今回、実に久しぶりの奮戦記でQurakXPress4.1とPDFについて考えてみようと思う。

■カギはフォントの「ポストスクリプト印刷」

 PDFを作成するには、まずドキュメントをPSファイルに書き出して、それをAcrobat DistillerでPDFに変換するのが一般な手順だ。その際、以前にも紹介したが(vol.26「『プリンタフォントの有無』を考える(4)」)、フォントラスタライズが下手くそなQuarkXPressでは、ラスタライズしないように「プリンタフォントの有無」の機能を無効にすることがポイントだった。
 バージョン3.3まで、この「プリンタフォントの有無」はXTension「Printer Fonts」が提供していたので、これを不使用にすることで簡単に無効にすることができた。ところが4.1ではこの機能がプログラムに組み込まれ、「印刷」ダイアログの「プリンタフォント」タブで使用するようになった。ここで「ポストスクリプト印刷」をチェックすれば、XPressはプリンタにそのままフォントデータを送り、チェックがなければフォントをラスタライズしてビットマップデータを送るという仕組みだ。基本的にバージョン3.3と同じだが、簡単にこの機能を無効にすることができない点に違いがある。
 しかし機能を無効にしなくても、考え方としては全てのフォントを「ポストスクリプト印刷」すればよいのだから、「プリンタフォント」タブですべてのフォントの「ポストスクリプト印刷」をオンにすればOKということになる。
 ところがここで問題が起こった。

■QuarkXPress4.1とAdobePS8.6以降は相性が悪い

 これまで私は、バージョン3.3でのPDFの作成に、もっぱらAdobePS8.6プリンタドライバとプラグインの「Adobe PDFの作成」を使用してきた。「Adobe PDFの作成」は、手順としてはAdobe Distillerを立ち上げることなく、アプリケーションから直接PDFにすることができるので楽だからだ。
 そこでAcrobat4.05一式をG4に移し、ドライバはAcobePS8.7を入れ、当初不具合があったものの「Adobe PDFの作成」もインストールして、いざPDF作成にトライしたのだが、なんと、QuarkXPress4.1とAdobePS(特に8.6以降)は、相性が非常に悪いようなのだ。

 4.1では、ファイメニューの「用紙設定」と「印刷」は同じ「印刷」ダイアログが使われる。プリンタドライバにAbobePS8.7(8.6も同じ)を使用している時、このダイアログが現れるまでにずいぶん時間がかかる。計ってみたら約40秒かかっていた。これがまず冗談ではない遅さだ。
 それでも「Adobe PDFの作成」のために我慢して使ってみたが、「プリンタフォント」タブで全フォントを「ポストスクリプト印刷」オンにしようとして、さらに唖然とした。一つのフォントだけでも、チェックを切り替えるのに数分(!)かかっている。全フォントとなるといったいどれくらいかかるのか、考えただけでもゾッとする。もちろん強制終了&再起動とあいなった。

 もっとも、AdobePS8.5.2だと問題ないという情報を聞いてはいる。が、この場合はPDFプラグインの仕様が「Adobe PDFの作成」とは違って互換しないため、プラグインもバージョンダウンする必要があり、なんだか面倒くさい。
 「EPSファイルでページ保存」を使えば、プリンタフォントには無関係なので、フォントに関しては思ったようなPDFにすることはできるが、この場合はトンボ入りのファイルを作れないので困る。余談だが、バージョン4.1の「EPSファイルでページ保存」では、スプレッドでの書き出しや、ブリードの設定による塗り足し部分を含めた書き出しが可能になっている。
 さてさて、何かよい方法はないものだろうかと悩んでしまった。しかし……。


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